甘木唯子のツノと愛 の商品レビュー
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『透明人間』 『IDOL』 『へび苺』 『甘木唯子のツノと愛』全3話 ちょっと、ありえないくらい、ぐさぐさ刺さる。 まずは『透明人間』で、あー描き方が少し独特で素敵だな、と。 カメラ位置が俯角だったり仰角だったりと、斜め上下の視点取りに、まずは魅せられた。 んで読み進めるうちに、幼女らが巨大な草や花やとにかく植物群を掻き分けて進むうちに、「入り込んで」しまった。 飛行機が印象的に差し挟まれ、沖縄の小学校か……?と少し触れた沖縄の風景が浮かんだ。 そのうち、まるでヘンリー・ダーガーを読んでいるような気持になったというか……うーん言い表すのは難しいが、幼女を描く線の柔らかさが、『非現実の王国で』の小さく儚いものへの憧憬を思い起こさせたというか、どこか似ているというか。 ダーガーの少女が大きな葉っぱを玩具にしていることからの連想かもしれない。 しかしただフェティッシュなだけではなく、「正しくないことをしたとわかっています、でももう自分には正しさがわからないのです」という「あの頃」「わかる!」を呼び起こす。紛れもなく現代の話なのだ。 あえて説明を省いた行間で、感動を生み出す作法が、素晴らしい。 デビュー作だという『IDOL』の主人公は高校生女子だが、彼女が好きな小学校の先生は、いってみれば卑小なヘンリー・ダーガー。 そんな男に対し、 「少女なんて、女が大きいか小さいかだけの違いじゃん」 と言い切る、しなやかさというかつよさというか。 ラストのコマは今後も振り返りたい。というか大林宣彦にぶっつけたい。 『へび苺』はいわば理想的な「あのころの」少女漫画を現代のタッチで描き直したというか。 『甘木唯子のツノと愛』はミニシアターで見たいタイプの話。 好きだ。「少女の変容」という作家性が一番顕著。 矢も楯もたまらず作者について調べている。1990年生まれ。tunblrを漁ったり。 ・「Airly Me」卒業制作だとか。5分程度の至福。マジですごいよ。視線の優しさも。 ・岩井俊二『花とアリス殺人事件』のロトスコープアニメーションディレクター。あー岩井俊二ね。自分の「好き」の軸を作ったあの人と、タッグを組んでいたのね。 ・NHK『おかあさんといっしょ』の人形劇『ガラピコぷ~』OPアニメのアニメーター。あのドラッギーな! ケモナー手塚治虫が嫉妬に狂うんじゃないかなーとと思ったあのOPが、なんとこの人! ・『宝石の国』のED! あーあれ!「煌めく浜辺」に乗せて一種謎めいた簡潔な線で、しかし動くこと自体が快楽であるような、アニメーションを、なんとこの人が。 ・「東アジア文化都市2019豊島」山下敦弘の実写映像をロトスコープでアニメーションに。初めて見たが、これは凄い。女の子が父母に挟まれて繋いだ手を引っ張って歩くところの、体重が前にかかっている感じとか。 志村貴子や安永知澄に出会ったときと同じくらい、ざわざわしている。 断然好きになった!
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久野遥子さんの作品『甘木唯子のツノと愛 (2017)』を読んでみた。 おいら、大好きな作品集です!! 特に”IDOL”とタイトル作の”甘木唯子のツノと愛”がGood!! 切なくて、儚かなくてイイネイイネ!!
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「マンガ」を読んだという充実感が凄い。極論ストーリーなんてどうだっていい(本書に限っては内容も挑戦的なものでかなりいいが)と思わせる力。
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むずかしい!!わたしには!!むずかしい!!! 今後何度も読み返さねばと思った… でも絵を見てるだけでもたのしい
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少女を巡る4つの短編集。 SFの要素があり非現実な設定ながら、登場人物の生きづらさは誰もが経験している感情であり共感できる。設定の不思議さはかえってリアリティを増し心に染みる。 エンディングは詠み手の想像力に託されて、私はモヤモヤとしたが、これが今の名作の形なのだろう。SFの要素...
少女を巡る4つの短編集。 SFの要素があり非現実な設定ながら、登場人物の生きづらさは誰もが経験している感情であり共感できる。設定の不思議さはかえってリアリティを増し心に染みる。 エンディングは詠み手の想像力に託されて、私はモヤモヤとしたが、これが今の名作の形なのだろう。SFの要素とベタベタしていない作風は手塚治虫を髣髴とさせる。素晴らしい作家の登場だ。ただ50代半ばの私にとっては説明が足りない。コマがとんでいるような感じだ。マンガを読まなくなって久しい。一度読んだだけでは、良く分からない。若い人たちにとっては平気 なのだろうが。 私は分かりやすい「透明人間」と「IDOL」が面白かった。
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うまく説明できないし、私がうまくこの作品を読み取れているのかも自信がないけれど、すごく独特の雰囲気がある漫画だった。読めば読むほど味が出そう。
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スゲェぞ、この1冊。今んとこ、今年一番。 映像作家らしく奥行きの有る作画。演出。どれを取っても漫画と言うメディアの使い方が切れ切れ。 ストーリー展開も日常とファンタジーの切れ目が無くて、引き込まれる。絶対、オススメ!
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久野遥子さんの漫画作品は初めて読みました。 コマの中の世界が独特で、紙面が久野さんにしか出せない雰囲気を漂わせている。また、余白の関係が考えられていてとてもカッコいいし読みやすい…。 表題作は、様々な解釈ができそう。行間を読まなければいけないところが映画的だと感じます。
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