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信長の軍師(天の巻) の商品レビュー

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2020/04/11

戦国時代を別の視点でみると、また違うものになります。臨済宗の僧である。沢彦宗恩、信長の幼少時より信長の教育係となった。 同じ臨済宗妙心寺派の太原雪斎が今川義元の軍師であり、沢彦が兄とも慕う快川 紹喜も武田と美濃斎藤の外交僧も務めている。 時代が少し違うが、同じ臨済宗妙心寺派の虎哉...

戦国時代を別の視点でみると、また違うものになります。臨済宗の僧である。沢彦宗恩、信長の幼少時より信長の教育係となった。 同じ臨済宗妙心寺派の太原雪斎が今川義元の軍師であり、沢彦が兄とも慕う快川 紹喜も武田と美濃斎藤の外交僧も務めている。 時代が少し違うが、同じ臨済宗妙心寺派の虎哉宗乙は伊達政宗とは生涯師弟の関係であった。 この小説は、今までの信長の小説とは、少し一線を画するものかもしれません。

Posted byブクログ

2018/05/06

ゴールデンウイークは歴史三昧、二冊目は岩室忍著『信長の軍師 天の巻 信長を育てた男』 織田信長の守り役だった平手政秀を偲ぶ政秀寺にのみ事跡が残る、臨済僧の沢彦宗恩。この上巻では、信長7歳で彼が師になる時から約20年後に桶狭間で勝利するまでを描く。戦国大名は急に生まれたのではなく、...

ゴールデンウイークは歴史三昧、二冊目は岩室忍著『信長の軍師 天の巻 信長を育てた男』 織田信長の守り役だった平手政秀を偲ぶ政秀寺にのみ事跡が残る、臨済僧の沢彦宗恩。この上巻では、信長7歳で彼が師になる時から約20年後に桶狭間で勝利するまでを描く。戦国大名は急に生まれたのではなく、彼らを育てた教師がいたはず、と筆者は言う。今川義元の軍師太原雪斎や毛利家の外交僧安国寺恵瓊のように史書に残っていないからこそ、腕白だが類い希な気迫を持つ吉法師少年と、広い見識と論理力を備えた禅僧とのやりとりが、筆者の想像力により縦横に展開される。 なかなかに面白いのだが、沢彦の語る乱世観が気になった。100年続く乱世に民は苦しんでおり、乱世を薙ぎ払う刃として信長を育てるということだが、そもそも鎌倉・室町時代は天下泰平ではなく、有力御家人・守護大名間の争いが数多く記録に残っている。応仁の乱以降苦しんでいるのは荘園からの年貢を失った天皇家・貴族、配下の武士たちの統率力を失った幕府・守護大名など上層階級であり、農民・武士は不在地主への年貢負担がなくなり、経済はむしろ活発化して商人の行動範囲も広がっていた。この辺り、作品中でも吉法師が鋭く喝破している。 ともあれ、作品中で信長は成長していく。尾張と美濃を抑えれば、太閤検地ベースで100万石の経済力を得ることができるのだが、実際の歴史の速度で見ればそこまでが長い、というのが正直な実感。

Posted byブクログ