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少女は夜を綴らない の商品レビュー

3.2

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2020/07/03

この人の本は天才ゆえの孤独や愚かさを描いたものが多かったけど、今作は愚か者や天才になりきれない者だらけ。他の本にあるようなある種の清潔さはなくなり、とにかく地面の上を這いずり回っているような感覚だった。

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2020/05/20

どうかこれ以上誰も傷つかないでほしいという思いからか、ページを捲る手がとまらなかった。こういった自分自身にとって非現実的な話を読むと、この世界を疑ってしまう。こういう境遇じゃないことに感じる必要のない申し訳なさを感じる。それは自身も紙一重でありうることだから。一言では片付かない。...

どうかこれ以上誰も傷つかないでほしいという思いからか、ページを捲る手がとまらなかった。こういった自分自身にとって非現実的な話を読むと、この世界を疑ってしまう。こういう境遇じゃないことに感じる必要のない申し訳なさを感じる。それは自身も紙一重でありうることだから。一言では片付かない。この物語に綺麗なハッピーエンドは存在しない気がする。(2018/10/18)

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2020/02/24

2月-14。3.0点。 同級生を殺した、主人公の女子中学生。事故として処理された。その同級生の弟が現れ、ある殺害計画を持ちかけられる。 屈折した主人公、同級生の弟。それぞれ抱えているものが深い。軽いタッチだが、重い内容。そこそこ上手く描いていると思う。

Posted byブクログ

2019/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うーん判断が難しい。一気読みするくらい面白い内容だけど、正直終わり方がちょっと歩に落ちないから評価しづらい。なんというか、ハッピーエンドが無理やりすぎる。昔クラスメートを殺したことがあるとか、また違う人を計画的に殺そうとしたとか告白して、「センスないなー、一緒にボードゲームしようぜ」なんてならないよー。 私の心が狭いのー? この手の本なら、辻村深月のオーダーメイド殺人クラブがオススメです。

Posted byブクログ

2019/02/24

逸木裕『少女は夜を綴らない』他人を傷つける妄想に苛まれる少女。暴露治療の「殺人ノート」に記したとおりの事件が起こり、彼女の日常はその危うい均衡を失う。物語が進むにしたがって緊張感は鋭さを増し、まったく目が離せず、息苦しいほどだ。文章がとにかく上手なうえ、構成も美しい。

Posted byブクログ

2018/10/13

加害恐怖の療法として身近な人間の殺害計画を日記に綴り心を落ち着けている、うつの母親に代わり料理をし教師の兄も加えた三人暮らしの中三の理子と、過去、後輩の父親の殺害計画、兄のホームレス連続殺人事件犯疑惑。親友やボードゲーム研究会によりクラスでの孤立に囚われない理子が良い。密やかな激...

加害恐怖の療法として身近な人間の殺害計画を日記に綴り心を落ち着けている、うつの母親に代わり料理をし教師の兄も加えた三人暮らしの中三の理子と、過去、後輩の父親の殺害計画、兄のホームレス連続殺人事件犯疑惑。親友やボードゲーム研究会によりクラスでの孤立に囚われない理子が良い。密やかな激情に引き込まれた。

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2023/10/27

全体的に妄想的殺人だったww - 逸木裕「少女は夜を綴らない」 ★★☆☆☆ がっかりするオチでした。散々持ち上げておいて結局、妄想系です。ものすごく著者に都合の良い方向に進みます。 「夜のノート」は興味深い題材なので、「夜のノート」の内容が現実になったりすればいいのにもったいな...

全体的に妄想的殺人だったww - 逸木裕「少女は夜を綴らない」 ★★☆☆☆ がっかりするオチでした。散々持ち上げておいて結局、妄想系です。ものすごく著者に都合の良い方向に進みます。 「夜のノート」は興味深い題材なので、「夜のノート」の内容が現実になったりすればいいのにもったいない。 結局、中学生が妄想殺人をしてそれを穴ありありの実行にうつすだけのお話でした。 題名が今風の動詞系なのですが、流石に意味不明すぎると思う。 「少年と夜のノート」とか「妄想殺人ノート」とかもう少し工夫したい。 ボードゲーム部は面白いのでこれをネタに使ったらよかったのに。 あと全体的に暗いです。

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2018/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 筆者の2冊目の小説。処女作の「虹を待つ彼女」も良かったが、本作も秀作。キャラクターが立っており、ストリーテリング・構成も考え抜かれている。  「虹を待つ彼女」はAIをメインにした話だったが、本作はトラウマを抱えた女子中学生の内面を描いたもの。  同級生・加奈子の死により心に傷を負い、その為、常に人を殺すことを考えることで心の平穏を得ている女子中学生・理子。  理子は加奈子の弟で父親から虐待を受けているという悠人から「父親を殺してほしい」という依頼される。  ストーリー的には人が死ぬところを見たいと考えている女子高校生らを主人公にした湊かなえの『少女』と最低な養父を殺そうと考える高校生を主人公にした貴志雄介の『青の炎』を混ぜ合わせたような内容だが、本作はもっと前向きになれる内容。  筆者の処女作も本作も、根底に「少女と死(自殺・自死・殺人」というものが潜んでいる。  イラストレーターloundraw氏による本書の主人公を描いた「儚く見えながらも毅然とした強さを感じさせられる透明感のある少女」のカバーイラストも秀逸。  

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2018/07/01

○自分の感情と事件とのはざまで、理子は何を考える。ある少女の成長譚 家族の中でも学校の中でも孤独。誰も自分のことを真に気にかけてくれる人はいない。 そんな中であった悠人に告白されたのは、「姉のことを殺したね」。そして「父を殺してくれないか」という殺人計画を持ちかけられる。 混乱す...

○自分の感情と事件とのはざまで、理子は何を考える。ある少女の成長譚 家族の中でも学校の中でも孤独。誰も自分のことを真に気にかけてくれる人はいない。 そんな中であった悠人に告白されたのは、「姉のことを殺したね」。そして「父を殺してくれないか」という殺人計画を持ちかけられる。 混乱する理子、そして次々と巻き起こる事件。不審な兄の動きと突き放す母、悠人の父親や学校の不良少年少女にも目をつけられ・・・ 物騒な中学生の友人にしでかした行為は取り返せず理子の心に残り続ける。 その影響が加害恐怖という形で表現され、ありもしない殺人風景を見続ける。そんな中"夜の日記"を書くことで暴露療法(エクスポージャー)の役割を果たす。その日記にはたくさんの身の回りの人への殺人が書かれている。もちろん実行するわけではない。しかしそれが周りにバレたときの威力は計り知れない。見たくもない妄想が書かれているのだから。 誰かを守る健気な殺人計画に僕らは胸打たれる。 向き合い続けたしるしは、きっと無くならないのだ。 ミステリーだけど、ある少女の成長譚だ。 論理と感情を使い分けていてどこか大人びた、でも中学生である初々しさが、読んでてとても楽しかったし、グイグイ引き込まれていきました。

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2018/06/30

前作もそうでしたが、タイトルも設定も好きなのですが、真相に向けてどうにも好みから外れてしまう印象。そんな好みの問題を外して考えれば、なんとも丁寧で、伏線回収も美しく上質なミステリ作品です。 人を傷つけてしまうかも知れないという強迫観念に悩まされている主人公、理子。彼女は殺人計画を...

前作もそうでしたが、タイトルも設定も好きなのですが、真相に向けてどうにも好みから外れてしまう印象。そんな好みの問題を外して考えれば、なんとも丁寧で、伏線回収も美しく上質なミステリ作品です。 人を傷つけてしまうかも知れないという強迫観念に悩まされている主人公、理子。彼女は殺人計画を練ることで心を落ち着けていました。しかしその秘密が悠人にバレてしまい、彼の父親殺しを手伝う羽目になります。 理詰めで倫理感さえも吹き飛ぶような論理展開は読了後、テーマについてそして二人について考えてしまう作品です。

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