カウンターの向こうの8月6日 の商品レビュー
トミエさんは自分の営むバーで、被爆者の話を直接に聞くことを、毎月6日に地道に続けてきた。その10年余りの記録。ああ、まだ聞き取られていないことがたくさんあるのだと、聞き取られなければ「なかったこと」になったかもしれない体験や思いがいくつもあるのだと、改めて知る。 カバーの袖で、著...
トミエさんは自分の営むバーで、被爆者の話を直接に聞くことを、毎月6日に地道に続けてきた。その10年余りの記録。ああ、まだ聞き取られていないことがたくさんあるのだと、聞き取られなければ「なかったこと」になったかもしれない体験や思いがいくつもあるのだと、改めて知る。 カバーの袖で、著者のトミエさんは私の10コ下か~と思って読んでいた。本の最後の最後で、出版直前に亡くなられたことを知る。母方の祖母は爆心地近くで被爆した。トミエさんは被爆3世。 ▼…ばあちゃんがいなければ、おかんも生まれてこない。僕もこの世に生を受けていなかった。 爆心地の近くにいて被爆しても、その後も生きている人は、なんらかの偶然が重なり、奇跡的に生きてくることができた。被爆3世といわれる僕たちも、そういったら"奇跡の子"だ。(p.4) (9/21了)
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