1,800円以上の注文で送料無料

競馬の終わり の商品レビュー

2.8

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/12/22

ロシアの占領下となった日本を舞台にした近未来SF。 サラブレッドをサイボーグ化するという話と並行して、複脳化した人間を描いている。SFとしては面白いが、馬がとにかく悲惨な目に遭う。経済動物だから仕方ないとはいえ……。

Posted byブクログ

2022/04/19

表紙がとても印象的。ロシアが日本を占領して、中山競馬場が崩壊、新潟が首府になって菊花賞が大ロシア賞になった、というSF。途中、作家さんが自分の設定に酔っているように思えてくる箇所があったけれど、自分の箱庭で競馬を開催できるのって楽しいですよねえ。 ロシアのウクライナ侵攻という時期...

表紙がとても印象的。ロシアが日本を占領して、中山競馬場が崩壊、新潟が首府になって菊花賞が大ロシア賞になった、というSF。途中、作家さんが自分の設定に酔っているように思えてくる箇所があったけれど、自分の箱庭で競馬を開催できるのって楽しいですよねえ。 ロシアのウクライナ侵攻という時期に読んだのはたまたまなのだけれど、それゆえちょっと変なリアリティがあった。 終わらせ方はちょっと残念だったけれど、これがSFじゃなかったらそれこそありきたりなストーリーになるので、その意味ではSF作品でよかったのかもしれない。終わった後の世界もちょっと興味はあるけれど……。

Posted byブクログ

2021/10/19

ちょっと読んでみたが、説明文が多くて手が止まった。 競馬詳しい人も知らなすぎる人も読むのは難しいと感じた。

Posted byブクログ

2017/09/16

競馬の話かと思ったら、まさかの馬産地の、馬主の話。誰に需要があるというのだろう。僕はすごく面白かったけど。 22世紀、科学技術の発展とともに競走馬のサイボーグ化が決定した。生身の馬が走る最後のダービーを制するため、ロシア政府高官イリッチは北海道有数の馬産地で笹田の牧場を訪れる。...

競馬の話かと思ったら、まさかの馬産地の、馬主の話。誰に需要があるというのだろう。僕はすごく面白かったけど。 22世紀、科学技術の発展とともに競走馬のサイボーグ化が決定した。生身の馬が走る最後のダービーを制するため、ロシア政府高官イリッチは北海道有数の馬産地で笹田の牧場を訪れる。笹田がホースマンの誇りをかけて生産したボグロムは、競馬界の行く末を決するように悪魔的な強さを見せデビューしていく。 話の肝は競馬のサイボーグ化です。 競走馬の価値は、優秀な馬を交配してさらに優秀な馬を作り続けた何世代にもわたる血統です。 それをサイボーグ化して、人工的で画一的な機械に置き換える。 血統が完全に無価値になるという、競馬業界にとって由々しき自体を描いています。 主人公は馬主の笹田です。 なお、笹田はよく見るとストーリーに全く絡んでません。 競走馬を生産して送り出したら、あとは見守るだけ、っていう馬産農家ってそういう者なのかもしれません。 で、作者が表現したかったのは、自分の産馬が自分の手を離れたところで活躍するのを見守る馬産農家さんの心境と、世界の変化が自分の手の届かないところで進んでいく一般庶民の心境をダブらせることだったかもしれない。 イリッチに買われたボグロムが育成牧場〜トレセンに入り調教師に育てられ、騎手に駆られてレースに参加するのを見ているだけ。 彼がいてもいなくてもダービーの行く末に関係ない。 そしてそれは、心血を注いだ優秀な競走馬の生産が、無価値なものになろうとしてい現状にも同じなのです。 ここでストーリーとして一番、怖いのは、実は人間のサイボーグ化も横で進んでいのです。 脳の補助コンピュータ”腹脳”が普及しつつあるこの世界。 単なる演算装置のままならいいが、ネットに繋げ、記憶と判断のサポートにすることで、人格の破壊される者が現れる。 自分で考えることを放棄もしくは不可能になった人間は、すでに人間でなくなりつつつあるのです。 サイボーグ化により血統主義が全否定される競走馬と、その馬主、さらにコンピュータに侵食されつつある人間のいずれも、アイデンティティも失われつつある世界。 攻殻機動隊でいうゴーストがどこにいってしまうのか。 何がアレって、僕がこの本を見つけて借りたのは、この本の舞台となった実在の町のの市立図書館だってことです。 そもそも錆びれつつある町の雰囲気とかすごくリアルで、人ごととは思えません。 競馬が大好きなSFファンと、ついでに北海道の日高地方にお住いの方には、ぜひ読んでほしい一冊。

Posted byブクログ

2017/08/29

久しぶりに競馬モノを読みたいと思って購入。主人公のサラブレッドとはほぼ関係無い部分での奇抜すぎる設定と、作者の自己満足とも思える持って回った冷笑的な表現の連続とで、何度か途中で読むことが辛くなった。それでも最後のダービーがどうなるか知りたいと思って頑張って読み進めたのだが・・ 肝...

久しぶりに競馬モノを読みたいと思って購入。主人公のサラブレッドとはほぼ関係無い部分での奇抜すぎる設定と、作者の自己満足とも思える持って回った冷笑的な表現の連続とで、何度か途中で読むことが辛くなった。それでも最後のダービーがどうなるか知りたいと思って頑張って読み進めたのだが・・ 肝心のレースの緊迫感や関係者の思いの交錯なども描き切らずに、安易に競走馬を骨折させてレースと話を終わらせ過ぎ。

Posted byブクログ

2017/08/14

単行本が出た時に北上次郎が大絶賛だったので、読みたいと思い「未設定」のところに登録して秘かに文庫化なるのを待っていたが、なかなかこういう本が文庫になるのも難しかろうと半ば諦めてもいたところ、思いもかけずに本屋さんの棚に並んでいるのを見つけた時には嬉しい驚き。 しかも元々の徳間では...

単行本が出た時に北上次郎が大絶賛だったので、読みたいと思い「未設定」のところに登録して秘かに文庫化なるのを待っていたが、なかなかこういう本が文庫になるのも難しかろうと半ば諦めてもいたところ、思いもかけずに本屋さんの棚に並んでいるのを見つけた時には嬉しい驚き。 しかも元々の徳間ではなく集英社からとは。やるじゃん、集英社文庫。 ただ、読み進めれば、ロシアによる支配や環境保護団体や腹脳という思考補助装置や非合法競馬の存在や馬のサイボーグ化など結構細かな設定が色々ありながらとっ散らかった印象で、雰囲気出すためだけに使われたのかって感じが否めず。 勿論競馬の話であるからそれなりに興味を繋いで読んでいけたし、作者の競馬へのこだわりもそこかしこに挿まれる描写で感じ取れはしたが、テーマが拡散してしまって、ポグロムvsエピメテウスの対決にも熱くなれず残念。

Posted byブクログ