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グレンデル(3) の商品レビュー

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2018/03/24

読むまでに随分とかかってしまい、オイカワ先生にゃ申し訳ないな、と思う そうか、この(3)が完結巻か・・・ ちょい話が重すぎたんだろうか? 高校生の頃だったら受け付けないストーリーだったかもしれないが、この年齢になると、特に抵抗感が無く読める。加齢の所為なのか、この歳まで多くの漫画...

読むまでに随分とかかってしまい、オイカワ先生にゃ申し訳ないな、と思う そうか、この(3)が完結巻か・・・ ちょい話が重すぎたんだろうか? 高校生の頃だったら受け付けないストーリーだったかもしれないが、この年齢になると、特に抵抗感が無く読める。加齢の所為なのか、この歳まで多くの漫画を読んで来た経験値で、私の漫画読みとしてのレベルが上がって、受け入れられる範囲が広がったのか あくまで、私個人の感覚でのお勧めではあるが、鈴木央先生の『僕と君の間に』が好きな人は、この『グレンデル』の良さが心にスッと入ってくるんじゃないんだろうか 主役が大きな壁を痛みを負いながらも越え、成長したところで、漫画としては幕を引くけれど、私達の見えないところで彼らの旅はまだ続いていく。その目的地に向かう道のりは苦難や悲しみに満ちているかもしれない、けれど、「自分」を受け入れてくれる相方がいてくれれば、辛さも飲み込んで強くなっていける そんなテイストが、私の舌の上で転がるのが実に心地よい 『花鬼扉の境目屋さん』とは違った、オイカワ先生らしさがあり、新たな魅力を堪能させてもらった 次回作でも、新しい面をぜひ、魅せていただきたい。個人的には、食系に挑戦してほしいところ ぽんとごたんだ先生の『桐谷さんっちょっそれ食うんすか!?』や、九井諒子先生の『ダンジョン飯』のような奇抜な食材を味わうタイプではなく、一般人でも普通に入手できる食材の旨味を、調理法で最大に引き出す、基本を大事にするような感じの、良い意味の落ち着きがあるストーリーが読みたいな。淡くて、甘酸っぱい恋愛要素が隠し味に入っていれば、尚嬉しい あまりにも大きな力は、人を根幹から変えてしまう それは、本人にとっては幸せと感じられても、「前」の方が好きだった周囲の者にとっては辛いこと 例え、元に戻したい、その気持ちがエゴだったとしても、自分の気持ちに蓋は出来ない。だから、叫びたがっている心のままに、人は行動するべきだ 「死にたくない」からこそ得る強さに、「死なせたくない」からこそ得た強さが上乗せされる、それが最強の力 改めて、王の中の王、竜と言う存在は圧倒的に美しいな、とオイカワ先生の独特な描写に感じられた グレンデルとカメリア、一人と一匹の間にある感情、「一緒に生きていきたい」、それに名前は無い。名付けできる、名付けしていいのは、彼らだけであり、それが判るのは、別れの時が来た瞬間なんだろうな 殿堂入り間際まで迫った、実に好いファンタジーだった 先に、食系漫画が読みたいと言った手前、アレだが、もう一回、ファンタジー作品も読んでみたくなってしまった さすがに、オカヤド先生の『モンスター娘のいる日常』のような、Hいハーレム系はオイカワ先生の絵柄じゃ合わないだろうから、クール教信者先生の『小林さんちのメイドラゴン』のような、可笑しさと真面目さが絡み合って面白さが生まれるストーリーが良いだろう この台詞を引用に選んだのは、ブワッと毛穴がブチ開いた音が聞こえたので。見た目こそ幼く、考え方もまだ甘い、しかし、その身に纏う覇気は、確かに王のそれだ。大切な人のために、自分は変わる、と覚悟した者ってのは、どうして、こうもかっこいいのか

Posted byブクログ