鬱屈精神科医、お祓いを試みる の商品レビュー
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前作「占いにすがる」より、はるかに読みやすかった。春日先生のこころもちとともに文章が穏やかになってきて、するっと受け止めやすくなったというのかな。
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精神科のお医者さんのエッセイ。 素直に、赤裸々に自分が思っていることを吐露。 母親の呪縛がテーマか。 ある意味、『さみしすぎて、レズ風俗~』のように、自分のイタいところをネタにしている感じでもある。 この本の場合は、私小説に近い。 というか、”私小説になりたい”感じがする。 ...
精神科のお医者さんのエッセイ。 素直に、赤裸々に自分が思っていることを吐露。 母親の呪縛がテーマか。 ある意味、『さみしすぎて、レズ風俗~』のように、自分のイタいところをネタにしている感じでもある。 この本の場合は、私小説に近い。 というか、”私小説になりたい”感じがする。 さすがお医者さんで博識だし、引用も面白い。 文学的なセンスも高い人なのだと思う。 ただ、私はあまり肌に合わなかった。 最初の方の子供を作らなかった理由が、どうしても違和感があった。 そのような理由は心の奥にしまっておいて、世に公表しなくても良いのではないかとも思ってしまったので。 あと、タイトル通り、「医者が」というところにどうしてもブランド感が良くも悪くもでてしまう部分が、私小説的には少しマイナスな気が。 どくとるマンボウとかともまた全然違う気がする。 多分、会話したら、気さくでいい人なんだろうけど。 文章にすると少しwetになる気がしました。
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前作「鬱屈精神科医、占いにすがる」が、とても私にとって良かったので、今回も読んだ。 マンションのリノベーション、実際にどんなのか見たかったらネットでどうぞとあったので、見てみた。とても素敵だった。こんな風に古いマンションをリノベーションできるっていいなぁ、やっぱりお金があるといい...
前作「鬱屈精神科医、占いにすがる」が、とても私にとって良かったので、今回も読んだ。 マンションのリノベーション、実際にどんなのか見たかったらネットでどうぞとあったので、見てみた。とても素敵だった。こんな風に古いマンションをリノベーションできるっていいなぁ、やっぱりお金があるといいなぁ、いい建築家や工務店にお願いできていいなぁというのが、この本を読んだ一番の感想。
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春日武彦さんの本はわりと気に入って読む。 読みながらこれは私小説的だなと思った。 文章が読みやすくて、奇をてらったような書き方をしないのが好ましい。 自分の中にある鬱屈した気分、母との関係、リノベーションで家を作る心理的な作用、 患者とのエピソードや、他の作家の小説の引用、などな...
春日武彦さんの本はわりと気に入って読む。 読みながらこれは私小説的だなと思った。 文章が読みやすくて、奇をてらったような書き方をしないのが好ましい。 自分の中にある鬱屈した気分、母との関係、リノベーションで家を作る心理的な作用、 患者とのエピソードや、他の作家の小説の引用、などなど 今の時間から、頭の中で、過去に想像に妄想に、あちこち巡る。 小説や評論であれば、もっと筋道や伏線など、 計算された形で進むのだろうけど それがなくても心地よく読める本だった。 穂村弘さんと同じニオイがするが、 春日さんの方が自分に深く沈んでいくような感じ。 前著も気になるので探して読んでみよう。
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主人公は母親からの呪縛から逃れるために家をリノベーションすることにした。 ちなみに主人公は著者である。 そして、これはエッセイでもなく、医学本でもない、まぎれもない私小説なのだ!(本人曰く) タイトルが意味不明すぎて興味がわいた。 「エッセイではない」と豪語しているせいか、逆にエ...
主人公は母親からの呪縛から逃れるために家をリノベーションすることにした。 ちなみに主人公は著者である。 そして、これはエッセイでもなく、医学本でもない、まぎれもない私小説なのだ!(本人曰く) タイトルが意味不明すぎて興味がわいた。 「エッセイではない」と豪語しているせいか、逆にエッセイのような気もしたが、 読み終わってみれば、確かにこれは小説なのだろう。 若干支離滅裂ではあるが、著者は精神科医というだけあって文才もあり読みやすい。 人は誰でも執着に支配されている。 著者は1951年生まれの精神科医とのことなので現在66歳。 未だに母親へのコンプレックスが強く、執着もかなり病的に強い。 執着心というのは言わば「呪い」であり、その「呪い」から逃れるために 家をリノベーションしようと思い立つ発想がやはり変人ぽくて面白い。 これまでに接してきた、ちょっと(いやかなり)変わった患者さんの話も 本人は死ぬほど苦しんでいるのだろうが第三者的にはくすっと笑える。 「お祓い」によって著者の「呪い」は解かれたのだろうか? 母への執着はなくなったのだろうか? 読み終わってから、時間がたつうちにじわじわくる、そんな小説だった。 ぜひ多くの人に読んでもらいたい。 これは母親への愛の物語だから。
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