ヴィクトリア朝英国人の日常生活(上) の商品レビュー
ヴィクトリア朝の文化風俗に関する本は数多くあると思うが、著者の実体験に基づいて論評しているものは少ないのではないかと思う。 例えば、ヴィクトリア朝のファッションを述べる上で、コルセットについて記述していない本などない。 著者が女性なら、実際につけたときのエピソードも交えるかもし...
ヴィクトリア朝の文化風俗に関する本は数多くあると思うが、著者の実体験に基づいて論評しているものは少ないのではないかと思う。 例えば、ヴィクトリア朝のファッションを述べる上で、コルセットについて記述していない本などない。 著者が女性なら、実際につけたときのエピソードも交えるかもしれない。 しかし、この本の著者は更に上を行く。 19世紀以前の背骨を支える下着と、19世紀のコルセットと、21世紀の服装、それぞれで農作業をやってみた結果、スムーズに作業するための足の出し方は、それぞれの服装で異なっていることを発見したりする笑 これは実は服飾を真面目に学問するためには、ものすごく重要な視点。 現代人から見ると、「コルセットは不健康で女性を拘束する下着!」と思っているけど、意外にもコルセットの方がやりやすい作業もある。 ・・・もちろん、それでも健康被害を発生させるし、当時の女性はコルセットを「選択して」いたのではなく、「選択されて」いたに過ぎないから、コルセットが「良いもの」にはならない。 でも物事を正確に評価するためには、全てを丸ごと知っておかなければいけないことを考えると、著者の功績は非常に有用だと思う。 服飾以外にも、食生活から身だしなみ、入浴など全般に渡って綿密に研究されており、個人的には名著だと思う。
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ヴィクトリア朝英国人の日常生活が、起床から就寝までという1日の流れに沿って書かれている。 上流階級の場合、労働者階級の場合、北部の場合、南部の場合など、それぞれの階級や地域、また年代ごとの生活の質や状況、食生活などの違いが詳しく説明されていて、各章がそれぞれとても読み応えのある内...
ヴィクトリア朝英国人の日常生活が、起床から就寝までという1日の流れに沿って書かれている。 上流階級の場合、労働者階級の場合、北部の場合、南部の場合など、それぞれの階級や地域、また年代ごとの生活の質や状況、食生活などの違いが詳しく説明されていて、各章がそれぞれとても読み応えのある内容だった。写真や当時の雑誌の挿絵などの資料もあり、当時の生活を想像しやすい。 さらに、歴史研究家である筆者が資料をもとに当時の生活用品を手作りし、実際に試してみたという体験談が随所に書かれていて、とても興味深く、そこまでするんだ!と筆者の探究心に驚く一冊でもある。
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シャーロック・ホームズが活躍したヴィクトリア朝の普通の人々の暮らしに焦点を当てた作品。 起床から就寝まで、一日の流れを追いながら、それぞれの項目について詳しく解説しています。 著者は、ヴィクトリア朝やテューダー朝の時代の暮らしをありのまま体験するという活動をされている方で、本...
シャーロック・ホームズが活躍したヴィクトリア朝の普通の人々の暮らしに焦点を当てた作品。 起床から就寝まで、一日の流れを追いながら、それぞれの項目について詳しく解説しています。 著者は、ヴィクトリア朝やテューダー朝の時代の暮らしをありのまま体験するという活動をされている方で、本国イギリスではテレビ番組などでも有名だそうです。 実際に暮らしを体験した著者の解説は具体的で、これまで抱いていた辛くて不便そうなイメージが覆される部分もありました。 上巻は「起床」「服を着る」「用を足す」「身だしなみを整える」「朝の運動」「朝食」「外での仕事」「家事」の8章からなり、ヴィクトリア朝の人々の一日の始まりから午前中の時間を追体験できます。 意外と写真や図での説明は少ないので、ヴィクトリア朝について扱った図説シリーズやスマホを片手に読み進めるのがおすすめです。 ◇おすすめポイント ・ヴィクトリア朝の普通の人々の暮らしについて知ることができる ・著者の実体験に基づいた解説が充実 ・装丁がかわいい ◇こんな方におすすめ! ・ヴィクトリア朝が大好き ・ヴィクトリア朝の人々の生活の細部を知りたい ・とにかく日常生活が好き
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日本でいえば明治時代のころの英国の庶民はどんな生活をしていたのかを解説した本。なんといっても筆者が、文献を読み解いただけではなく、その頃の英国人の生活を何か月にもわたって試してみての実感を述べているあたりがすごい。やはりその感覚は生々しい様子で、今の生活からは想像もつかないよう...
日本でいえば明治時代のころの英国の庶民はどんな生活をしていたのかを解説した本。なんといっても筆者が、文献を読み解いただけではなく、その頃の英国人の生活を何か月にもわたって試してみての実感を述べているあたりがすごい。やはりその感覚は生々しい様子で、今の生活からは想像もつかないような大変さがあったであろうことが伝わってくる。映画で見るようなはなやかなだけの生活ではなかったみたい。
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現代人の作者が実際体験してみた、ヴィクトリア朝生活録。 歯磨き粉や整髪料を調合して作ったり、洋服を縫ったり…すごいなぁ!と、前半はふむふむ読んだのだけど、後半の飢饉や薬については痛ましいとしか言いようがなかったです。 必要な栄養素が解明されていないのと、単純に収入がないのと、医者...
現代人の作者が実際体験してみた、ヴィクトリア朝生活録。 歯磨き粉や整髪料を調合して作ったり、洋服を縫ったり…すごいなぁ!と、前半はふむふむ読んだのだけど、後半の飢饉や薬については痛ましいとしか言いようがなかったです。 必要な栄養素が解明されていないのと、単純に収入がないのと、医者ですらお粗末な知識…。 いろいろな要因が合わさってじわじわ餓えていく子供達。 よくぞイギリス人、この時代に絶滅しませんでしたよね…。 合間にちょびっと出てくる娘さんエピソードには癒されました。
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大英帝国として繁栄しているけど、 普通の人々は衣食住、どれも不足していて、 生きていることが奇跡に近い。 よくぞ生き延びて、現代まで命を繋いでくれました。
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