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ミダレガミ の商品レビュー

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恒常的な改名なのかシャレなのか……

書店で何気なく手に取った。見覚えの無い筆名だ。パラパラと中を見てみる。ん?これはどう見ても紛れなく、寸分違わず「佐野タカシ」ではないか。ナゼ筆名を変えているのか……いろいろと謎めいている。 つたやからまる……大体において、こうしたダジャレ系の筆名は恒常的な改名と言うよりまさ...

書店で何気なく手に取った。見覚えの無い筆名だ。パラパラと中を見てみる。ん?これはどう見ても紛れなく、寸分違わず「佐野タカシ」ではないか。ナゼ筆名を変えているのか……いろいろと謎めいている。 つたやからまる……大体において、こうしたダジャレ系の筆名は恒常的な改名と言うよりまさしく一時的なシャレと言うか、何かしらの理由で限定的な使用に留まることが少なくない。しかし、オビには『佐野タカシ改め、蔦谷唐円』とある。ならば改名と考えるのが自然なのだが、この一文、「佐野タカシ」の方が大きく、色も変えて記しているので「蔦谷唐円」が目立っていない。むしろ『改め、蔦谷唐円』の方を敢えて小さくしているようにすら写る。改名を強調していないことから今回限りの変名(別名義)と受け取ることもできる。あとがきに記されている筆名の由来についても何となくシャレで名付けたようにも感じられて……やはり謎めいている。 紛れもなく、寸分違わないのは作画だけではない。ヒロインの設定や物語においても「佐野タカシ」が前面に出ており、「蔦谷唐円」に変えるだけの作風の変化は見られない。普段は清楚で奥ゆかしく、しっとり艶っぽい作画によって神々しさすら感じさせる麗しい若妻が隠し持っていた、あるいは無自覚に秘められていたM性を主人公によって炙り出され、責められ、堕ちていく耽美な物語が続く。強いて言えば主人公に下衆っぽさが加味されたことで凌辱色がやや強まっていることか。 「佐野タカシ」名義の官能作品集(短編集)では時に『密林』で取り扱われないことがあった。それを回避するための名義変更かとも思ったが、本作もまた現状では取り扱われていないことから(電子コミック化すると取り扱われることがあって、それはそれで別の謎だが)、この謎は深まるばかりである。この名義の継続性については今後の動向に注目するしかあるまい。

DSK