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真山仁さんの作品は13作目。本作は『売国』に続く冨永検事シリーズ第2作である。初の女性総理を狙う元厚生労働大臣・越村みやびは自信の推奨するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の規制強化法を打ち出した。『社会福祉健全化法』という名のそれは当初は業界から反対の声が上がり、法案成立は難しいと言われていた。ところがメディアの後押しで世論が動き状況が一転、遂に成立かと騒がれたが土壇場になって時の総理の裁定で先送りになった。しかし、後にこの『社会福祉健全化法』成立をめぐって越村みやびの贈賄疑惑を特捜部に告発するものが出てきた。みやびが与党内の法案成立反対派議員にカネを握らせ、賛成派に取り込もうと画策したというのだ。その金はみやびの盟友と言われている投資会社の代表から提供されたという話だった。しかしいずれも裏付けとなる物証はない。特捜検事の冨永真一は告発者の事情聴取を行うことにした……。前作『売国』は宇宙開発事業に絡む話で政治とあまり関係ないようで、ある種非現実的でもあったが、今作は老人福祉医療の闇がテーマという、より身近な問題にフォーカスしてきた。前作より政治家の汚職追及を丹念に描き切ったイメージがある。こういうのを書かせると著者はうまい。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou23413.html
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スッキリとしないこの中途半端な終わり方が、今のこの国の現実だろう。政治も、成功者も。 ジャーナリストも、弁護士も、検察も、政治家も、どこに焦点をあてるかで、相対的にしか正しさは現れないか。
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シリーズ1作目の「売国」より遥かに重厚な作品で,ミステリーとしても,社会派小説としても読み応えがあった.サ高住は本当に色々で,「ここなら」と思う所と「ここじゃ…」って所と本当にピンキリなんだよな,それは豪華さとか全く無縁のところで. 内情やや知ってるだけに,よく取材して表現してく...
シリーズ1作目の「売国」より遥かに重厚な作品で,ミステリーとしても,社会派小説としても読み応えがあった.サ高住は本当に色々で,「ここなら」と思う所と「ここじゃ…」って所と本当にピンキリなんだよな,それは豪華さとか全く無縁のところで. 内情やや知ってるだけに,よく取材して表現してくれたなぁってのが感想. 願わくば,「女性総理候補」の胸の内,何故そこに至ったのか?をもう少し書き込んでくれると更に面白かったんじゃないかなぁ,と思う.
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近未来の話で、武装が許されている警備員達。日本は荒れてすさんでいる。敵と戦うので警備員とういうよりボディガードといった方がよいかもしれない。仲間たちがどうなったのかわからずに終了してしまい、次作があるのかもwww
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あまり身近にない政治の世界。検察と国会議員の戦い。もう少しオチが欲しかった。五十嵐さんももう少し活躍して欲しかったw
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プロローグから結末まで、主に4つの視点で物語が綴られています。 すごいのは、ほぼ全ての視点が密接に関与しながら同時進行で進んで行くにも関わらず、互いに無駄に干渉していないということ。 何という表現力!噛みごたえのある作品でした。 ハゲタカシリーズは最後のどんでん返しが醍醐味でした...
プロローグから結末まで、主に4つの視点で物語が綴られています。 すごいのは、ほぼ全ての視点が密接に関与しながら同時進行で進んで行くにも関わらず、互いに無駄に干渉していないということ。 何という表現力!噛みごたえのある作品でした。 ハゲタカシリーズは最後のどんでん返しが醍醐味でしたが、それとは違った楽しみ方が出来ました。 もっと早く読めばよかった。 次は「コラプティオ」、「売国」を読みます。楽しみです。
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102政界のドロドロはステレオタイプ。女性首相を誕生させたかったのか、女性というキーワードがなくても成り立つお話のような気がする。これはこの主人公の続編を書かないと作家としてどうなんかな?
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女性総理 越村みやび が誕生する直前の出来事。 現在の黛総理のマウンティングが、 実に巧妙で、スキャンダルを利用しながら 人を操っていく。頭が上がらないようにする。 越村みやびが、政治献金と賄賂の区別が 明確でなく、賄賂に手を染めていく過程が、 もう少し 心理的葛藤があってもい...
女性総理 越村みやび が誕生する直前の出来事。 現在の黛総理のマウンティングが、 実に巧妙で、スキャンダルを利用しながら 人を操っていく。頭が上がらないようにする。 越村みやびが、政治献金と賄賂の区別が 明確でなく、賄賂に手を染めていく過程が、 もう少し 心理的葛藤があってもいいのだが。 それでも、清廉潔白と言い切るには無理がありそう。 富永という検察のエース。その上司の羽瀬。 羽瀬は癖がある。豪胆で、狙いも特捜だ。 特捜の手口があからさまで、特捜がメディアにリークして 犯罪の既成事実化していく姿は、日本の暗部だね。 神林という新聞記者のエース。その上司の東條。 なぜか、富永とは背とよく似た関係になっている。 記者と検察の深いつながりが見える。 3億円を受け取った俊策が、会社の1億円融資で あたふたしているのは、どうかな。 それにしても、結末が結末として、闇の中に放り込まれる。 実際の政治は、もっときな臭いだろうけどね。
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若さと美貌を武器に総理の座を狙う越村みやび。そんな彼女に致命的なカネの問題が浮上する。東京地検特捜部の冨永真一の追及に、越村みやびは沈黙という戦闘態勢に入った-。『産経新聞』連載を加筆修正。 検察の標的は初女性総理目指す政治家。旦那(最後に学生時代の革マル派の襲撃で不能者であることがわかる)は女性の家に婿養子の酒造会社社長兼政治研究家。 妻が贈収賄で逮捕され黙秘を続ける。全ては自分の一存で妻は傀儡と遺書を書いて故郷金沢大跡地で飛び込み自殺 それでも女性政治家は罪を認めない。現総理はこのゴタゴタで3期目に突入。(物語終了) みやびに金をわたしていたのは医療ビジネスで大儲けをたくらむコンサル楽田。ケイマン諸島に100億円の預金あり 社員が現金を運ぶ。ゲート前のトイレに隠す。清掃員が拾う このシステムを構築した会社社長を逮捕 楽田の妻が贈収賄の証拠を持って検察の密告 同期は?夫が面白くなくなったのでエールだ 子供の書いた者写真で楽田は落ちた 3億円を受領したのは夫。車を受領したホテルの駐車場でこすっていたのを新聞記者が検察官にリーク トップ記事をスクープ
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『売国』につづく冨永検事シリーズ第2弾。 サービス付き高齢者住宅(「サ高住」)に関する諸問題を題材にしたお話。
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