レヴィナス の商品レビュー
本書において熊野は実に素朴な問いを幾度となく問いかける。「他者」とは誰か、「世界」とはなにか。そうしたあまりにも原初的な問いかけを実践することを通じて、熊野はレヴィナスの思考の根底にある可能性を探り出そうとしていると思った。あくまでぼくのつたない読解を断っておくが、そうした可能性...
本書において熊野は実に素朴な問いを幾度となく問いかける。「他者」とは誰か、「世界」とはなにか。そうしたあまりにも原初的な問いかけを実践することを通じて、熊野はレヴィナスの思考の根底にある可能性を探り出そうとしていると思った。あくまでぼくのつたない読解を断っておくが、そうした可能性とはつまりレヴィナスが語らんとしたものがいかに「実際的」「現実的」にそこにいる他者あるいは裸形の世界そのもの、そしてそうした世界の中で自分自身が「ある(存在する)」ということなんだろうかと。難解な観念論ではなく「使う」ための1冊だ
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第1部 所有することのかなたへ―レヴィナスにおける“倫理”をめぐって(問題の設定―“身”のおきどころのなさの感覚から;自然の贈与―始原的な世界を“口”であじわうこと;所有と労働―世界に対して“手”で働きかけること;裸形の他者―“肌”の傷つきやすさと脆さについて;歴史の断絶―声では...
第1部 所有することのかなたへ―レヴィナスにおける“倫理”をめぐって(問題の設定―“身”のおきどころのなさの感覚から;自然の贈与―始原的な世界を“口”であじわうこと;所有と労働―世界に対して“手”で働きかけること;裸形の他者―“肌”の傷つきやすさと脆さについて;歴史の断絶―声ではない声に“耳”を澄ませること) 第2部 移ろいゆくものへの視線―レヴィナスにおける“時間”をめぐって(はじめに―移ろいゆくものへ;物語の時間/断絶する時間;時間と存在/感受性の次元;主体の綻び/反転する時間;おわりに―“ある”への回帰)
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