てっぺん の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
てっぺん 我が妻・田部井淳子の生き方 田部井政伸 ∞----------------------∞ 唯川恵さんの小説や田部井淳子さんの著書を読んでいるので、ほとんどの内容を知ってるつもりだったけど、それだけじゃなかった。 エベレストにいる妻との手紙のやり取りがすごく良かった。「妻がすごく筆まめ」と言いつつ、政伸さん自身もかなり手紙を書いてらっしゃる。 また、エベレスト登頂以降の話や山以外のことも多く書かれてた。 南極とか行きたいところ、やりたいことは、実現の可能性を大きくするためにも人に伝えた方がいい、とかはためになる。縁って大事だよね。 妻がインドで登山、娘はアラスカにホームステイ、自分と息子はバイクでアメリカ大陸横断。家に誰もいない。 田部井さん(夫)はきっと仕事ができる人だけど、多く休むので会社は評価に困ってた。 素人だらけのシャンソンリサイタル。 未来永劫、破られることの無い記録っていうのもすごいな。それを聞いて「妻」や「お母さん」ではなく「淳子」と呼んであげれば良かったっていうのが切ない。淳子さんには充分伝わってるはず! 2023/04/21 読了 (図書館)
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田部井淳子さんの『私には山がある』に続いてご主人の田部井政伸さんが書かれた『てっぺん』を読了。 亡くなった田部井淳子さんの生き方についてこちらの方が詳細に書かれており愉しめました。 クライミングで知合い結婚した当初は、ご主人の方が新婚時3ヶ月も家を空けてヨーロッパの2大北壁を完登...
田部井淳子さんの『私には山がある』に続いてご主人の田部井政伸さんが書かれた『てっぺん』を読了。 亡くなった田部井淳子さんの生き方についてこちらの方が詳細に書かれており愉しめました。 クライミングで知合い結婚した当初は、ご主人の方が新婚時3ヶ月も家を空けてヨーロッパの2大北壁を完登したりでその筋では有名だったり。帰国後凍傷により両足の指を失ったにもかかわらず、また山に登ろうねって励ましてる淳子さんには寒心する。本当に山好きじゃなければ理解しえない感覚だと思いました。 家のカレンダーにお互いの山行予定を書き入れて早い者勝ちでダブらないように、片方が山行っている時は、片方が家を守るようにしてたそうですが次第に奥様の予定が増えていきます。詳細な予定はお互いあまり聞かなかった様子ですがご主人は理解があり、予定をみて頑張ってるなっと応援してたそうで、そこに、エベレスト女子登山隊と書かれる日が来るとは想像もしていなかったそうです。 お二人のエベレスト往復書簡とかも興味深く拝見しました。 二人とも筆まめなんですよね。 女性だけの登山隊でエベレストに挑むこと、これは凄いアイデアだと思うし女性が社会に進出する気運にも重大な意味があった訳だけど、本人はそんなこと考えていたのかと思うとそんな気がしなったりなんですよね。女同士で登れば体格も同じでペースもあうし気兼ねなくトイレもできるしとそんな感じだった様子なんです。 女性15人の海外遠征となると当時のお金で4000万程かかったそうですがスポンサー集めとか実際の登山以上に大変だったんじゃないかと思います。 マネージメント能力にも長けていた様子が伺われます。これも山に登りたい一心で得た能力かもっw 山頂に立ったらそれで終わりではなく、さあ次は何処に登ろうかとゆう夢が膨らんで遂には7大陸最高峰登頂とかも女性初でやってしまうのだから。 今では女性が活躍できる場が増えてますが田部井さんはその先駆けであり希望であり憧れのおばちゃんだったわけなんですね。 そして、好きなことはなんでもしたいって結構欲張りで家事も、育児も、山登りも、諦める事なくこなしていたから凄い人だったんだ。楽しむことを最優先で行動してたんだっw 様々な記録が更新されていく中で『女性初』とゆう記録は未来永劫彼女のもので墓場まで持って行ってしまったのだから楽しんだもの勝ちでズルいですよねw
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「淳子のてっぺん」に感動し、ご主人の著作があることを知りました。 淳子さんの凄さをあらためて確認しました。特に晩年、病気と付き合いながらの活躍は凄すぎです。それも、支えあっていた政伸さんあってのものでしたね。お互いを尊敬し、思いやっている感じがすごく伝わりました。簡単なようでなか...
「淳子のてっぺん」に感動し、ご主人の著作があることを知りました。 淳子さんの凄さをあらためて確認しました。特に晩年、病気と付き合いながらの活躍は凄すぎです。それも、支えあっていた政伸さんあってのものでしたね。お互いを尊敬し、思いやっている感じがすごく伝わりました。簡単なようでなかなか難しいこと。 ちょっと、山登り、いや、ハイキングからかな。計画してみようかな。日和田山~物見山コース!
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夫婦で登山家というものが、どういう事か。こんな出会い。ありそうで、なさそうで。子供ができると、段々山から遠ざかる。でも、この夫婦は、極めていく。
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唯川恵『淳子のてっぺん』つながりで読む。一時代をリードした稀有なアルパインクライマーである夫婦とも、登山家ではなく“登山愛好家”“山屋”と称しているところが謙虚で好感が持てる。田部井淳子さんが生涯を山屋であり続けた裏には著者の献身的な支えがあったことに、たぐいまれな夫婦愛を見た思...
唯川恵『淳子のてっぺん』つながりで読む。一時代をリードした稀有なアルパインクライマーである夫婦とも、登山家ではなく“登山愛好家”“山屋”と称しているところが謙虚で好感が持てる。田部井淳子さんが生涯を山屋であり続けた裏には著者の献身的な支えがあったことに、たぐいまれな夫婦愛を見た思いでした。 運もありますが、私の知ってる限りでも登山史に残る実績を残した山屋で還暦を過ぎて死ぬ間際まで山を登り続けた人はそんなにはいないです。困難なルートに挑み続けた登山家たちのほとんどが山に逝っていますね。
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日本を代表する登山家であった田部井さんの夫が綴った彼女の人生。冒険が大きければ大きいほど、支える家族も踏ん張っているのだ。
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山を心底愛した田部井淳子さんのエッセイ、沢山読んで、その都度元気をいただいてきました。2016年10月20日、77歳でお亡くなりになりました。その3ヶ月前、東北の高校生とともに富士登山をされた様子(BSTV)、今も瞼に焼き付いています。田部井政伸さんが妻・田部井淳子への思い、田部...
山を心底愛した田部井淳子さんのエッセイ、沢山読んで、その都度元気をいただいてきました。2016年10月20日、77歳でお亡くなりになりました。その3ヶ月前、東北の高校生とともに富士登山をされた様子(BSTV)、今も瞼に焼き付いています。田部井政伸さんが妻・田部井淳子への思い、田部井淳子の生き方を本にまとめられました。「てっぺん」、2017.7発行です。
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常々、田部井さんの旦那さんてどんな人だろう?と思っていました。 同じ山やさん、だったんですね。 若い頃は谷川岳の岩場に休みごとに通い詰めていた、という筋金入りの山やさんでした。 田部井さんは恵まれた人だったんだなぁ。 理解のある旦那さんや姉妹、親族、聞き分けのいいお子さん、そして...
常々、田部井さんの旦那さんてどんな人だろう?と思っていました。 同じ山やさん、だったんですね。 若い頃は谷川岳の岩場に休みごとに通い詰めていた、という筋金入りの山やさんでした。 田部井さんは恵まれた人だったんだなぁ。 理解のある旦那さんや姉妹、親族、聞き分けのいいお子さん、そしてもちろん良い山仲間。 どれか一つ欠けても、それは田部井さんの足枷になります。 そしてそれを上回る、田部井さんの努力と尽力。 最後となった病気をおしての高校生との富士登山、たまたまテレビの放映も見ましたが、本当に山が好きなんだなと感動しました。 「病気になっても病人にはならない」いい言葉です。
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決して湿っぽくならず、半世紀連れ添った夫の立場から、淡々とした筆致で在りし日々のことが綴られており、だからこそ感じられる悲哀というのか、その重さは説明し難い。 田部井淳子さんの超人的な部分の描写は敢えてほとんど省かれ、あくまでも家族にとっては普通のお母さんだった、という筋が貫かれ...
決して湿っぽくならず、半世紀連れ添った夫の立場から、淡々とした筆致で在りし日々のことが綴られており、だからこそ感じられる悲哀というのか、その重さは説明し難い。 田部井淳子さんの超人的な部分の描写は敢えてほとんど省かれ、あくまでも家族にとっては普通のお母さんだった、という筋が貫かれているが、登山家としてあれだけの実績を残しながら、家庭では”普通”であり続けた、というところにまた、逆説的な凄さを感じる。 このように幕を閉じていくことができれば、2人の送ってきた人生は幸せに満ちたものだったのだろう、と羨ましくもある。
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