優しい嘘 の商品レビュー

金呂玲(著者),金那炫(訳者)

2021/08/20

イ・チョンジは、小学校の時に転校してきた。自己紹介をさせられるのが嫌だった。そして初めて話しかけてきた子がファヨンだった。親切で優しいと思った。しかし、それは表面的だけだった。チョンジだけをみんなの中でいたぶって苛める。抗議しても周りのみんなもぐるになってファヨンに同調する。悔しい思いをするのはチョンジだった。中学に上がってもファヨンとチョンジの関係は変わらなかった。そして、一年生の時にファヨンは自殺した。姉のマンジは、なぜ妹が自殺したのか、その理由を見つけ出さないといられなかった。だんだんとあらわになる妹の様子とファヨンや周りの友達の行動。自殺せざるを得なかった妹の心の闇を知って傷つき、戸惑う姉。

2020/02/23

最初、Huluで見たのが始まりでした。
悲しくて、どうして、つらすぎる、と思い泣きました。
主人公は、母子家庭で母と姉います。
家庭では明るく家族思いだった彼女は突然自ら命をたってさしまいます。
明るく見えていた裏側には、つらいいじめがあって…

映画を見たあと、しばらく引きずり、つらくて、他の方のレビューや解釈を読み漁り、　
数日後
小説版を知り、購入しました。
内容を掘り下げ、浸りたいと思ったからです。

小説を読み、設定が若干違うけど、大筋で内容は同じで、家族や友達などの細かい描写を知る事が出来ました。

そして、最終的に、再度映画を見ました。
映画の口コミでは
優しい嘘、と言うタイトルが合わないのではと言う口コミも見たため、主人公の真意に迫りたいと思いました。

映画、小説、映画、と三回味わい、
それでもまた、泣いてしまいました。

私なりの解釈では、
優しい嘘とは、彼女がうつである事を隠すために、わざと本とは逆の行動をしていた事では？と思いました。

いじめた子を許すと言うメッセージが優しい嘘では、と書いている方もいたので、それぞれの解釈があるのだと思います。

死を選ぶしかなかった彼女が、死ぬ間際まで、家族が止めに来てくれる事を願っていたのが切なかったです。
本当は死にたくなかったはず。
家族にさえ、取りあってもらえなかった孤独。
間に合って、助かって欲しかった。

2019/12/27

少女の自殺問題を起点に、母子家庭の貧困。女性差別。学歴社会。父親の暴力。学校社会の陰湿さ・・・。色んな社会問題が浮き彫りとなっていく。子供が普通に健全に生きていくのは何と難しい社会になっているのだと思うのです。これは韓国社会だけでなく、日本にだってありえる問題だし、ファヨンのような性悪ないじめっ子はたくさんいると思う。純粋な少女は生贄となり鼠のように逃げ惑うしかないのかな。辛い作品なのに、何か優しさもあった。それは死んだ少女が、彼女を苦しめた人たちに「許し」を与えたからだと思う。それが彼女のついた優しい嘘