センス・オブ・ワンダーを探して の商品レビュー
不意打ちでめちゃくちゃ面白かった。子供の頃に得た感受性が大人になった自分を支えてくれる、と冒頭に出てきたけど、二人の対談を読んでいるうちにこういうことなのか、っていうのが分かってくる。ノックアウトマウスのくだりとか顕微鏡を作ったレーウェンフックとフェルメールの関係(ハカセの推測)...
不意打ちでめちゃくちゃ面白かった。子供の頃に得た感受性が大人になった自分を支えてくれる、と冒頭に出てきたけど、二人の対談を読んでいるうちにこういうことなのか、っていうのが分かってくる。ノックアウトマウスのくだりとか顕微鏡を作ったレーウェンフックとフェルメールの関係(ハカセの推測)、ヴィットーレカルパッチョの絵が繋がっていたこととか、村上春樹と生物学の関係とか読んでいてもわくわくすることだらけ。阿川さんも物知りで感性も豊かでだからこそできるこの返し。子供の頃、すごい!とかなんで?って思った経験やその探究心を大人になっても持ち続ける。私もこういう人生を送りたいって思った。 私のセンスオブワンダーを得た子供時代の経験はなんだったかな?と考えだすととても楽しい。 子供にはいろんな本を読ませて、そのあとぼーっとしながらじっくり思い出したり考える時間を与えたいなぁ。読書はそういう想像の余白が確保できるからこそよいのだと。 対談の中でハカセが展開する彼の論理も興味深い。今は機械(メカ)的に生命を操作するのが主流だけど動的平衡(生命は一つの大きな流れの中にあり他とバランスを取っている)という考え方が大切だと。でもそれは金儲けがすべての資本主義社会では受け入れられない。それでは人間は必ず滅びる。
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面白かった! 生物についてこんな捉え方ができる福岡ハカセ、ほんとに魅力的な人だ! 頭ガチガチのただの学者さんではなく、情緒と品が漂ってる。心豊かな人なんだなぁ。 巻末にもありましたが阿川さん、人の話を聞くのがほんとに上手!出過ぎず引き過ぎず、心地よく対話が流れていきます。
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子どもの頃の感性が残ってたらいいのになと思いながら読み進めました。ちょっと心が若返ったような気がしました◯
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神秘さや不思議さに目を見はる感性、センスオブワンダー。 子供の頃にそのセンスを体験した記憶を語り合うところから、話は生物学のこと、地球の歴史における人間の立ち位置、進化や遺伝、そして科学のことへと広がっていく。 顕微鏡以来のミクロな世界へ分け入る生物学は、生物の仕組みを解明した...
神秘さや不思議さに目を見はる感性、センスオブワンダー。 子供の頃にそのセンスを体験した記憶を語り合うところから、話は生物学のこと、地球の歴史における人間の立ち位置、進化や遺伝、そして科学のことへと広がっていく。 顕微鏡以来のミクロな世界へ分け入る生物学は、生物の仕組みを解明したけれど、専門も細分化されて全体を見ることができなくなっていること。 生物の体は絶え間なく入れ替わり動いているのに、全体のバランスは保たれているという「動的平衡」とハカセが訳した現象こそ、そんな機械論みたいになってきた生物学、生命観に一石を投じるものであること。 でも、機械論的、つまり、メカニズムのもとに体が出来上がっていると考えるから、体の部品を交換するような最先端医療や体の一部だけに作用する薬などができるのであって、動的平衡の考え方ではそういうものはあまり意味がなくなってしまう。なにより、経済に貢献しない。だから主流じゃないらしい。ということ。 いろいろ目から鱗の話ばかり。 「脳死」は「脳始」にもなりうるため、人間の寿命を両側から縮めている・・・というのがびっくりだったな。考えたこともなかった考え方。 文化と文明についても語り合っていて、文明は風土やライフスタイルから遠ざかりすぎていて、もうこれ以上進んでもうまくいかないんじゃないかと。 不便な時代に戻るとかじゃなく、ベクトルを違う方へ向けていかないと、というのはそうだなと思える。 技術や科学はそのために使われるべきだよなあ。生み出すばかりが能じゃない。作りすぎ使いすぎの先進国社会に危機感を持つ人が、たしかにいるということが分かって、少しホッとした。いや、そんなレベルで止まってちゃいけないんだけども。 テンポよく、またお互いに言葉をつなぐのが上手い二人の対談は、読みやすくて良かった。
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福岡伸一さんはフェルメールに造詣が深い生物学者でありテレビやツイッターでもお見かけしていたが、子供時代に触れるものの大切さや、生きていることは一体どういうことなのか、等々面白くて一気読みだった。 動的平衡という考え方は優しくいえば、身体は全て繋がっているということだが、動的平衡は...
福岡伸一さんはフェルメールに造詣が深い生物学者でありテレビやツイッターでもお見かけしていたが、子供時代に触れるものの大切さや、生きていることは一体どういうことなのか、等々面白くて一気読みだった。 動的平衡という考え方は優しくいえば、身体は全て繋がっているということだが、動的平衡は絶え間なく働きながら困難を乗り越え新しい状態を作り出すという。だから薬を飲み続けるというのも本来の機能を回復させず、しまいには機能しなくなる。でも大変な病気になったらお医者さんの処方通りに薬は飲みたい。。 ドリトル先生やジョージオーウェルの話もでていて本当に楽しい対談だった。オススメ。
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