物語日本の治水史 の商品レビュー
自然への畏怖(信仰)や直観力の大切さを前提としつつ一方でその現実の思考や論旨は具体的かつ客観性(事実・根拠の明示)を持ったものでなければならないとされる科学(土木)技術のあり方について考えさせられた。
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図書館でかりて読んだけど、買うべきかどうか悩むような内容。 面白いし勉強になるところもあるのだが、全面的に共感するような本ではないのが、少なからず残念 1)河川技術は「失敗」をもとにして発展してきた、 と冒頭にあるが、直ちに納得しがたい。むしろ例えばダム施工は、「成功」体験をも...
図書館でかりて読んだけど、買うべきかどうか悩むような内容。 面白いし勉強になるところもあるのだが、全面的に共感するような本ではないのが、少なからず残念 1)河川技術は「失敗」をもとにして発展してきた、 と冒頭にあるが、直ちに納得しがたい。むしろ例えばダム施工は、「成功」体験をもとに少しずつ発展してきたように思う。実際本書を通じても「失敗をもとに」という具体例は提示されない 2)為政者について、かつては行基、いまは行政。 つまり治水事業をなしえるのは、宗教的なリスペクトか制度的な強制力か、というのは物差しとして面白いし示唆にとむ 3)過去の偉人たちの治水の系譜は面白い。 信玄の甲州(関東)流と、清正らの紀州流の比較は勉強になった。信玄は中国の都江堰のことをよく勉強していた一方、清正は流水の様子や長老の話などから連続堤計画にいかしたことが印象的。しなやかにいくか、がちがちにいくか。いずれにせよ、"事例"と"現場"からしか、計画はできないのだ。(山田省三郎についての調査も、この本のための情報だったのだなぁ) 4)一方で現代についての「評価」は やや感覚的で主観的に過ぎるように感じる。環境配慮とか住民意見とか学識者とか政治(事業仕分け)とかに感する部分は特に感情的にきこえる。このへんが、技術屋がちゃんとできないと危ういところ
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