御用船帰還せず の商品レビュー
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まずまず。 五代徳川将軍の時代。武士の役割は終わり、商業の時代になってきており、金の産出も減少したため、小判の金比率を下げなければいけなかったようだ。 エンターテイメントのよくできた作品。
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主人公萩原重秀は、徳川綱吉政権時、貨幣改鋳を行いインフレーションを巻き起こした実在の人物。経済小説に定評のある相場英雄がこの事件を舞台にした小説なんだから、かなり期待できると思ったんだが…。 何だろう、この消化不良感。経済政策なんだから善悪二元論にはできないというのは分かるが、重秀側視点で読むにしても敵対勢力側視点で読むにしても、それぞれの個性に差が少ないようで感情移入がし辛い。 人質の件や、将軍の不安定さ、チーム随一の腕っこきがあっさり死んだり(それも重要な場面で)詰めも色々甘く、挙句が最終章…経済小説で名を派す人がこのネタをこの描写でオチに使うんかぁ…ガックシ つまらないばかりではない小説なんだが、期待しすぎてしまった。
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荻原重秀の配下たちの活躍を題材にするなんて社会派の筆者らしい。良い意味でのリベラルと保守との白熱した戦いを貨幣経済の論点から描いていて楽しませてもらった。荻原派に道理があるのは現代では明らかだが当時を考えればこういう展開にもなり得るのかな。新井白石を凡愚な堅物として描写しているの...
荻原重秀の配下たちの活躍を題材にするなんて社会派の筆者らしい。良い意味でのリベラルと保守との白熱した戦いを貨幣経済の論点から描いていて楽しませてもらった。荻原派に道理があるのは現代では明らかだが当時を考えればこういう展開にもなり得るのかな。新井白石を凡愚な堅物として描写しているのがなんとも痛快。中過去→大過去→現代という流れが個人的には何か夢を感じさせてくれて良かった。
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「震える牛」などの作者相場英雄の歴史上の史実や人物を題材にした歴史エンタテイメント作品。史実の部分を膨らませて読みごたえのある作品に仕上げているのはさすがだと思った。
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経済小説家として知られる相葉氏による歴史小説。徳川綱吉に勘定奉行として使えた官吏が、逼迫する貨幣需要に対応するために、小判を積載した御用船を行方不明にするという、突拍子もない考えを思いつく。 当時の江戸時代は、商業経済が発展するものの小判の供給が追いつかず、小判の金の含有率を下げ...
経済小説家として知られる相葉氏による歴史小説。徳川綱吉に勘定奉行として使えた官吏が、逼迫する貨幣需要に対応するために、小判を積載した御用船を行方不明にするという、突拍子もない考えを思いつく。 当時の江戸時代は、商業経済が発展するものの小判の供給が追いつかず、小判の金の含有率を下げざるを得ない状況にあった。当然、含有率の引き下げは世間の反発を喰らうため、一筋縄ではいかない。 この問題を解決するために、主人公は佐渡島で取れた金塊を積載した御用船を江戸に帰還させず、小判の供給量を減少させ、インフレーションを起こさせる。 内容としては上記のとおりであるが、御用船を隠すというありえないトリックは、腑に落ちなかった。もっと現実的にできそうな方法であれば、本作は面白かったはず。
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