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どつぼ超然 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お、お、面白い!! ちょっと読んだだけで、こりゃ町田氏だ!と思う。 うひゃひゃひゃと思う。好きだー。 舞台は田宮市なんだけど、熱海じゃん。お宮じゃん。写真も載ってるしバレバレ。あ・たみや〜。 これはエッセイなのか??小説なのか?? ロードムービーだと思う。半径10キロぐらいの。 町田氏のお散歩物語。 島に渡ったら猫達がいた。みんな汚れてないほうをナデナデする。2分38秒くらいすると「さ」と言って立ち上がり、食堂とかに行ってしまう。 まだナデてもらえると思ってた猫は、突然どこかに行ってしまった人間に驚いて固まる。 本気で付き合うつもりもないのに、気まぐれに可愛がって飽きたら弊履のごとく棄て去る。人間のエゴだ。 ぶっ飛んでても、黄色い錯乱坊なんて言ってても、 町田さんはこういうことをスルーしない。 何も出来ないなら、何も手出ししないことよ。 あと、ところどころに、かなり芯を付く批判というか視点があって、そういうのも私は好きだと思う。個人が社会に排撃される構造を持つ点で社会的動物である人間にとってこれほど辛いことはない、などなど。。。 勘違いも思い込みも妄想も、解釈が面白くて 「どういうことかというと」とくると、 きたきたきた、と思ってニマニマしてしまう。 とにかく、すべてが面白い。笑ってしまう。 あみんの「待つわ」の歌詞の考察、わはははは! カラオケ行って今すぐ歌いたい。 お店のお客さんを観察するのは、なにげにみんなやってると思う。会話に思わず反応するよね。 心のなかで「違うよ、それは○○だよ!」 とか言ったりするよね。 そういうのをめっちゃ拡大誇張してる。 「春日部も品川も木更津も足立も練馬も湘南も、住んでる人には悪いけど、余にとってはただのナンバープレート、一片の金属板」には、笑ったー。 ただ一切が過ぎてゆく。太宰はこうなるか!! 最後は色々買ってタクシーを待つわ、なのね。 善哉、善哉。

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2021/02/06

表紙買いw 田宮ってどこかと検索しちゃったけど、もともとは「熱海超然」とわかり納得。 リアルの場所だからこそ、脳内弁慶だけど現実は自意識過剰な小心者という”あるある”が現実味を帯びて面白いと思うのだけど、なんてタイトル変えたのかな。農協からでも苦情がきたのかな。

Posted byブクログ

2020/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人称の考察がギャグになっているのだけど「私」「我輩」「余」の外部に対する距離感のイメージ描写がたくみすぎて、ワシが今悩んでいたいろいろな部分のかなりなところに答えを得たような気がする。 気がするだけかもしれんが。よく考えてみると、悩んでいたことすら、悩んでいる気になっていただけの錯覚かもしれんな。 語彙の蓄積量とその組み合わせをどうやってアウトプットしているのかが分からない。試しにワシもやってみたのだけど「ポルチオ☆ハンマー」とかある意味映像的で猥雑で淫猥な響のある言葉の組み合わせばかり浮かぶのである。 難しい。 理由が無い理屈がない、結果を作りその後から理屈がついてくる。

Posted byブクログ

2020/04/22

この小説を書くことが超然だなと思う。文学とかそういうカテゴライズの中で評されるのだろうから、何か崇高なテーマでも読み取ってみたらいいじゃん、読み取りたいなら。みたいなのを感じた。挑発ではなく、文学は崇高であれみたいな面倒くささに対する可笑しみ、次の次元への昇華。カオスや誇張は、カ...

この小説を書くことが超然だなと思う。文学とかそういうカテゴライズの中で評されるのだろうから、何か崇高なテーマでも読み取ってみたらいいじゃん、読み取りたいなら。みたいなのを感じた。挑発ではなく、文学は崇高であれみたいな面倒くささに対する可笑しみ、次の次元への昇華。カオスや誇張は、カオスでも誇張でもなく、現実として流れている、そのように心象を表現する町田さんの文章はやはり歌詞のようです。混沌と飛躍にまみれた表現にはリズムがあるのでノれます。最終章は芸術を文芸に置き換えて捉えても良さそう。疲れている時に読むのがおすすめです。登場人物は基本的に主人公だけだし、絡み合う人間関係も無ければ筋らしい話の筋も無いので、疲れた時に一人で読むと、まぁ生きるかって感じの気分になります。すごい事だと思います。最終章では、人間失格は読んでいる事が前提となっているので、読んでいた方がしっくりくると思います。

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2019/08/01

超然として自分のこと 余とか言い出して 全然超然としないで色んな事気になって イライラしたりブチギレたり。 いきなり超然としてみたり あーうける 善哉。善哉。

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2018/01/20

超然とした生活をするために、一人称を「余」に変更して、あとは街をぶらぶらしながら、目につくものにいちいち細かくツッコミを入れて行く。町田康らしさ爆発している小説。面白い。何も考えずに、楽しめる感じがいい。

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2017/09/15

他出版社から出ている『東京飄然』に続く2作目だと、文庫を買った後に教えてもらった。因みに同シリーズ3作目『この世のメドレー』は文庫版を既に入手済み。 東京飄然の記憶がうろ覚えなのだが、冒頭「田宮」に来る前に東京で飄然としようとしたが出来ず、というくだりがある。作者の御宅が熱海なの...

他出版社から出ている『東京飄然』に続く2作目だと、文庫を買った後に教えてもらった。因みに同シリーズ3作目『この世のメドレー』は文庫版を既に入手済み。 東京飄然の記憶がうろ覚えなのだが、冒頭「田宮」に来る前に東京で飄然としようとしたが出来ず、というくだりがある。作者の御宅が熱海なのでアナグラムで田宮なのだろう。4章で出てくる文豪が泊まった元旅館にも覚えがある。 はっきり、なかなか馴染めぬまま読了、といった印象。行動に理由はないし、頭の中で繰り広げられる無尽蔵の罵詈雑言やら悟りやら何やらに笑えるものの。 3作目なある種気軽に読んでいこうかと。

Posted byブクログ