J・G・バラード短編全集(3) の商品レビュー
63年から66年に発表された作品集。内宇宙と現実世界が徐々に融合していくバラードの特徴的世界が短編においても幻想的に描かれます。「終着の浜辺」や「永遠の一日」、「あらしの鳥、あらしの夢」などが非常に印象的。バラード第2章の始まりと本人がいう作品もあり、発表順に読むとその変化も見て...
63年から66年に発表された作品集。内宇宙と現実世界が徐々に融合していくバラードの特徴的世界が短編においても幻想的に描かれます。「終着の浜辺」や「永遠の一日」、「あらしの鳥、あらしの夢」などが非常に印象的。バラード第2章の始まりと本人がいう作品もあり、発表順に読むとその変化も見てとれるので興味がつきません。またバラードの世界は読んでいて様々な色彩が思い浮かぶので、絵が描きたくなります。やっと桜も咲き始めたしスケッチ旅行にでもいくかな。
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アンソロジー『疫病短編小説集』 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4582769152 を読み、「集中ケアユニット」に衝撃を受けて、 長年何となく難解そうだからと手を出しかねていた J.G.バラードの短編全集を...
アンソロジー『疫病短編小説集』 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4582769152 を読み、「集中ケアユニット」に衝撃を受けて、 長年何となく難解そうだからと手を出しかねていた J.G.バラードの短編全集を一括購入。 第3巻は1963~1966年の間に発表された19編。 ヴィーナスの狩人(The Venus Hunters,1963) エンドゲーム(End-Game,1963) マイナス1(Minus One,1963) 突然の午後(The Sudden Afternoon,1963) スクリーン・ゲーム(The Screen Game,1963) うつろいの時(Time of Passage,1964) 深珊瑚層の囚人(Prisoner of the Coral Deep,1964) 消えたダ・ヴィンチ(The Lost Leonardo,1964) 終着の浜辺(The Terminal Beach,1964) 光り輝く男(The Illuminated Man,1964) たそがれのデルタ(The Delta at Sunset,1964) 溺れた巨人(The Drowned Giant,1964) 薄明の真昼のジョコンダ(The Gioconda of the Twilight Noon,1964) 火山は踊る(The Volcano Dances,1964) 浜辺の惨劇(The Beach Murders,1966) 永遠の一日(The Day Forever,1966) ありえない人間(The Impossible Man,1966) あらしの鳥、あらしの夢(Storm-Bird,Storm-Dreamer,1966) 夢の海、時の風(Tomorrow is a Million Years,1966) SFあり、奇怪な幻想譚あり、『残虐行為展覧会』への序曲的な 濃縮小説(コンデンスト・ノベル)あり、 シリーズ《ヴァーミリオン・サンズ》ものもあり。 ②巻『歌う彫刻』収録 https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4488010598 「重荷を負いすぎた男(The Overloaded Man,1961)」が 衝撃の面白さだったので、同じノリを期待したが肩透かし。 とは言いながら、完成度の高い作品が多く、粒ぞろい。 特に感銘を受けたのは、 死刑を宣告され、執行の日まで幽閉された邸宅で 監督者とチェスをして過ごす男の思考が淡々と、だが、 ヒリヒリする緊張感を持って語られる「エンドゲーム」、 警戒厳重なルーブル美術館から盗み出された ダ・ヴィンチ作品を追う、 ミステリと思わせて実はいわゆる 「さまよえるユダヤ人」の物語「消えたダ・ヴィンチ」、 浜辺に打ち上げられた 鯨ほど巨大な人間の死体を巡る情景「溺れた巨人」、 現実と非現実が融解する時空間の記録「終着の浜辺」、 全26話で、章のタイトルのアルファベット順に エピソードがシャッフルされた「浜辺の惨劇」も素晴らしい。
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短編。3作目。 だんだんと読みづらくなってきているような…。めっちゃ時間かかった。 「ヴィーナスの狩人」「うつろいの時」「ありえない人間」あたりは読みやすく面白い。 「溺れた巨人」「あらしの鳥、あらしの夢」は迫力がある。 「スクリーン・ゲーム」「深珊瑚層の囚人」「永遠の一日」は美...
短編。3作目。 だんだんと読みづらくなってきているような…。めっちゃ時間かかった。 「ヴィーナスの狩人」「うつろいの時」「ありえない人間」あたりは読みやすく面白い。 「溺れた巨人」「あらしの鳥、あらしの夢」は迫力がある。 「スクリーン・ゲーム」「深珊瑚層の囚人」「永遠の一日」は美しい世界観と謎の美女の組み合わせがとても好み。 「終着の浜辺」「光り輝く男」あたりが苦手。 ヴァーミリオン・サンズものが読みたい〜。
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初訳作品を含む全19編を収録。 全5巻のうち3巻目ともなるとバラード節が全開だった。『終着の浜辺』とかホント好きだなぁ……。 解説が山野浩一というのも良かった。
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