そろそろ、人工知能の真実を話そう の商品レビュー
著者はシンギュラリティを科学ではなく哲学だと述べるが、著者の主張こそが、哲学的思想とこじつけられているように思える。
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最近読んだ本に、3Dプリンター・AI・ドローン技術等により、人間の仕事が奪われマシーン(非人間)の世の中となる「シンギュラリティ」がやってくる等、不安が高まってきた中、心のどこかにそれを打ち消してくれる本が無いかなと期待していました。 私にとっては、これが待望の一冊目となります...
最近読んだ本に、3Dプリンター・AI・ドローン技術等により、人間の仕事が奪われマシーン(非人間)の世の中となる「シンギュラリティ」がやってくる等、不安が高まってきた中、心のどこかにそれを打ち消してくれる本が無いかなと期待していました。 私にとっては、これが待望の一冊目となります。ただし、私がこの本から私が受け取ったメッセージは、以前、誰もが宇宙旅行に行けるようになる、便利な機器に囲まれて仕事をする時間が大幅に減る、と言われてきて現在を迎えているように、機械が人間にとってかわることはなくとも、最近読んだ本にあったように、近未来になくなる仕事(機械に取って代わられる仕事)が増えていくのは事実だと思いました。 これからは私の両親が仕事をしてきた、そして引退後に年金ももらって生活している状況は、そのまま引き継げないのだろうと思います。価値を生み出す仕事はどうあるべきか、自分の問題に置き換えて、自分を見つめなおす良い機会を与えてくれたこの本に感謝しました。 以下は気になったポイントです。 ・技術的特異点(シンギュラリティ)とは、ごく自然に日々確実に数を増やす機械によってもたらされる、事態はだんだんと加速して、ある時突然、暴走が起こる。世が変わり、人間が変わる、全くの別ものになることをいう(p18) ・近年の様々な兆候を見ていると、増加速度は停滞する傾向をみせている、そうなればムーアの法則はまもなく有効性を失うことになる(p22) ・シンギュラリティが訪れる時期は、異なる原則に基づいて時期を推定する、1993年の時点では2023年であったが、2010になり、さらに30年ほどの猶予を申し出たが、具体的な年を明言を避けた。中世に黙示録の実現が先延ばしされたように(p26) ・シンギュラリティとは、加速化の到達tンを説明するために数学の分野で用いられた概念であった(p27) ・地球の壮大な歴史を6つの時代に分類した場合、1)ビックバンに始まり、数億年かけて有機物が作られるまで、2)生命の誕生、DNA、細胞、組織を有する生物の出現、3)高度な脳と知能を有する生物誕生、人類の誕生含む、4)人類が生み出したテクノロジーが驚くべき規模と速度で完成、現代はこの末期、5)人間の生み出したテクノロジーが自立性を持ち、自ら進化する、6)精神性が開花、テクノロジーに基づく知性によって宇宙が満たされる(p38) ・2016年にインテルは、プロセッサの小型化については開発を抑制すると発表した、この結果、ムーアの法則から外れることとなった(p46) ・進化はいつも偶発的、複雑化に向けて連続的に進んでいるわけでもない、種の進化と、生物がその発展の過程で潜在能力を徐々に発揮していくことを関連付けようとしても無駄(p51) ・コンピュータの演算能力と、コンピュータが知能を再現する能力には直接的な関係はない、従って、仮にムーアの法則が通用するとしても(通用しないことは明らかとなったが)、それによりスーパーインテリジェントマシンが誕生すると論ずることはできない(p53) ・機械学習のアルゴリズムは3つのタイプしかない、1)教師あり学習、2)教師なし学習、3)強化学習:機械の一連の行動に対して、一定の報酬や罰を与えて最適な行動を学習させる、この場合、人間が最適な選択を行う基準を設定し、機械はこれを変更できないようになっている(p64、66) ・現在の人工知能開発における技術レベルを見る限りは、コンピュータが人間の力を借りずに際限なく進化し続け、ついに暴走し、自律し、我々を支配することは考えられない(p68) ・未来予測が難しい理由は、複数の要因が絡み合っているためだが、その最も大きな理由は、我々が予測しようとしている自然現象や社会現象が複雑だから(p105) ・未来はもう人間を必要としなくなるかもしれないという予言は、時間は根源的には不均質であるという仮定から出発している(p112) ・AI技術自体を否定しているのではなく、本来のAI技術が、シンギュラリティという怪しげな神話によって変質してしまうことを批判している(p173) 2017年9月3日作成
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レイ・カーツワイルを筆頭にビル・ジョイやスティーブ・ホーキンスなどが主張するシンギュラリティをその源流となったSFなどを振り返るともにその成り立ちを考察、ムーアの法則には斉一性が無い、汎用人工知能は実証的アプローチが無いまま仮像と化しているなど、論理的な批判を展開し、更にはキリス...
レイ・カーツワイルを筆頭にビル・ジョイやスティーブ・ホーキンスなどが主張するシンギュラリティをその源流となったSFなどを振り返るともにその成り立ちを考察、ムーアの法則には斉一性が無い、汎用人工知能は実証的アプローチが無いまま仮像と化しているなど、論理的な批判を展開し、更にはキリスト教・ユダヤ教などの一神教の宗教観にも言及し、現代のグノーシス(現世の否定、二元論)と看破する。世界のトップIT企業がその支配力を強めるための隠れ蓑としてシンギュラリティを利用しているというのが著者の主張です。アングロサクソン(最近腰砕けですがw)が主導するグローバル資本主義に否定的なフランス人らしい思想がとても興味深く読めました。日本人的にはシンギュラリティは面白いからネタにするけど誰も本気にしていないと思うのですが、こんな本がわざわざ書かれるという事は、一神教の人たちは本気で心配している人が多いのでしょうか、とても気になります。
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人工知能によるシンギュラリティは訪れるのかと企業などが躍起になって危険性を喧伝する動機について迫った書物。人工知能とは何かや人工知能を考察する上で必要な文化的知識を得るにはお勧め。 本文の考察は難しいが、訳者のあとがきが大変わかりやすいので、こちらを一読して、読むかを判断される...
人工知能によるシンギュラリティは訪れるのかと企業などが躍起になって危険性を喧伝する動機について迫った書物。人工知能とは何かや人工知能を考察する上で必要な文化的知識を得るにはお勧め。 本文の考察は難しいが、訳者のあとがきが大変わかりやすいので、こちらを一読して、読むかを判断されると良いと思う。
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