不寛容な時代のポピュリズム の商品レビュー
東日本大震災(2011年)以前に書かれたものから、発行時(2017年)まで、著者の代表作でもあるオウム真理教事件の映画「A」であったり、嫌韓嫌中といった排外主義、歴史修正主義への危惧、安保法制など政権に対する違和感など、現在(2019年)時点で更に加速しているような社会問題から”...
東日本大震災(2011年)以前に書かれたものから、発行時(2017年)まで、著者の代表作でもあるオウム真理教事件の映画「A」であったり、嫌韓嫌中といった排外主義、歴史修正主義への危惧、安保法制など政権に対する違和感など、現在(2019年)時点で更に加速しているような社会問題から”日本には絶望が必要なのではないか”という見解が導き出される。マスコミが弱体化している現代において、ひとりひとりが情報を鵜呑みにしたり、口当たりの良いニュースばかりを取り入れていてはいけないなぁと思わされる作品だった。
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自分を取り巻く世界が、何かおかしな方向へと向かっているのではないかという身体的な「気持ちの悪さ」を、何とか周囲に知らせたい、共有したいという筆者の切実な思いがひしひしと伝わってくる。さらには、そんな思いを持っていても現実が変わっていかない諦観すらも。 いたずらにペシミズムを喚起さ...
自分を取り巻く世界が、何かおかしな方向へと向かっているのではないかという身体的な「気持ちの悪さ」を、何とか周囲に知らせたい、共有したいという筆者の切実な思いがひしひしと伝わってくる。さらには、そんな思いを持っていても現実が変わっていかない諦観すらも。 いたずらにペシミズムを喚起させようとしているのではない。深く絶望することによって、ペシミズムを超克する希望を語っているのだ。
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2009〜2016、ダイヤモンド・オンライン、現代思想、朝日新聞他掲載原稿。大衆迎合時代、変わったのは政治家より大衆の側。自衛のため集団として連帯、その帰結として他の集団を敵視し全体主義に向かう。安全保障悪化対策を公言する為政者が支持される。 何となくの違和感をきちんと言葉にで...
2009〜2016、ダイヤモンド・オンライン、現代思想、朝日新聞他掲載原稿。大衆迎合時代、変わったのは政治家より大衆の側。自衛のため集団として連帯、その帰結として他の集団を敵視し全体主義に向かう。安全保障悪化対策を公言する為政者が支持される。 何となくの違和感をきちんと言葉にできるのがえらい。言う人がいないというより、言うまでのどこかの段階で自主規制されてしまうのだろうな。
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森達也氏の本は初めて読んだが、とても意義深いものを感じた。森氏の考えは、今のマスメディアでは殆ど語られることがない。かと言って、それは無意味なものだからではなく、メディアがメディアとして正常に機能していないことによるものだと気付かされる。氏の主張する憲法九条の意味については、全く...
森達也氏の本は初めて読んだが、とても意義深いものを感じた。森氏の考えは、今のマスメディアでは殆ど語られることがない。かと言って、それは無意味なものだからではなく、メディアがメディアとして正常に機能していないことによるものだと気付かされる。氏の主張する憲法九条の意味については、全く同意したい。自衛権の暴走こそ現代の戦争の原因となりうる。衆院選挙前に読了出来て幸甚。
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