ピース降る の商品レビュー
#短歌 p6 笑ってほしいだけだったんだ冬の雨スープはるさめ食べ比べして p7 胸骨にくちをつければ笑い出すきみが片手で飲むVolvic p10 海の映画の名前を思い出せなくて舌に翡翠を転がすように p14 こころには水際があり言葉にも踵があって、手紙は届く p17 聴覚が滅びる...
#短歌 p6 笑ってほしいだけだったんだ冬の雨スープはるさめ食べ比べして p7 胸骨にくちをつければ笑い出すきみが片手で飲むVolvic p10 海の映画の名前を思い出せなくて舌に翡翠を転がすように p14 こころには水際があり言葉にも踵があって、手紙は届く p17 聴覚が滅びるような気だるさを沈めて遠い夏の浴槽 p20 檸檬水きみは言葉のすみずみに裏地をつけてつつんでくれる
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どんなふうに生きれば こんな風に切なく生きていけるのだろう こんなにも 強く 見えない不安より 確かなものを信じて 生きていけるのだろう 弱さに揺れる 強さが光る 夜の中の星みたいで 消えそうなのに 消えない 光のようだった 決定的な瞬間がある 私だけの物語にとって あな...
どんなふうに生きれば こんな風に切なく生きていけるのだろう こんなにも 強く 見えない不安より 確かなものを信じて 生きていけるのだろう 弱さに揺れる 強さが光る 夜の中の星みたいで 消えそうなのに 消えない 光のようだった 決定的な瞬間がある 私だけの物語にとって あなたになら触って欲しい 恋に似た性欲 好きすぎて 自分をあげたい これは恋なのか それとも狂気なのか 差し出した分増える 悲しみ 愛情と比例の痛みが 愛の果てに命を育むなら いつだって恋は命懸け いつだって愛は全身全霊 背中に揺れる死の影 夜空は生と死の死角 愛と寂しさを吸って 吐いて満たされないまま 性と詞の枕詞 切実な生活を支えるささやかな出来事に空が、ほつれる 崩れ落ちて雨になって 心のように もう違う、空 壊れそうで泣いてしまいそうな確かな私と 絶対に壊れないあなたの確かさの間で揺れるのが もう終わってもいいという喜びと もう終わりにしたいという悲しみは どこか似ていて、絶望的なくらい、隔たっている 私たちは 魚 希望と絶望を泳ぐ 回遊魚 死にたい の反対は生きたいだと思う 死にたくない の反対は 死にたいだと思う 言葉の反対は心 真実の反対は矛盾 だから、苦しい 救いのように 悲しい 存在の果てに不在を知るような いつもそのあり方を確かめたい 確かなほどに消えてしまう後を 想像して寂しくなるなら 寂しいということは、それだけで、ひとつの痛み だから悲しみひとつ 自分一人誰かをこいねがう 命が消えていく 冬は冷たくも悲しい まだ消えない火が 暖かい 言葉にならない 命と死と 確かに映る実感とが 愛しくも儚い 残ったような手紙は 残された人に読まれよう それは、長い長い、もうすぐ終わるのに終わらない、映画のようでした 圧倒的に押し寄せる悲しみと寂しさが過ぎ去った後に残った 一筋の勇気が灯って 風に揺れて 瞬く 星みたいだった
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