キリング・アンド・ダイング の商品レビュー
第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオンライン予選会5で発表された本です。 https://www.youtube.com/watch?v=PjL5bMDn_DE 2021.2.27
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映画『パリ13区』から入った。 映画館の売店に本書が置いてあり、表題作を読んでいた。端正な絵柄は好感度、ペーソスと独特のリズムも味わいがある。そう思って映画を観たらテイストは全然違っていた。 著者エイドリアン・トミネの作品から、いくつかのエピソードをピックアップし換骨奪胎して製作...
映画『パリ13区』から入った。 映画館の売店に本書が置いてあり、表題作を読んでいた。端正な絵柄は好感度、ペーソスと独特のリズムも味わいがある。そう思って映画を観たらテイストは全然違っていた。 著者エイドリアン・トミネの作品から、いくつかのエピソードをピックアップし換骨奪胎して製作したのが映画作品。どっちがどうという以前に、もうまったく別モノとして味わったほうが良さそう。で、どっちも良い。 鑑賞後、作品パンフレットを買おうと思ったら売り切れ(うん、この作品の完成度ならパンフを手に取ってみようと思う気持ちも分かる)。残念と思い、では原作のほうを買ってみるかと、改めて読んでみたもの(「キリング・アンド・ダイイング」しか読んでなかったからね)。 『グラフィック・ノベル』というジャンルらしい。日本の漫画とは一線を画す。 本書にもいくつかのエピソードが描かれているが、絵のタッチも微妙に違ったり(制作の年代が違うのかな?)、登場人物も異なり、お話もまるで別の話。共通しているのは、静かな絵のタッチと(日本の漫画のような効果線、擬音の類も少ない)、日常的な暮しの中のちょっとしたユーモアや少し奇妙な出来事を、人間関係を軸に描き出しているところか。 短編小説、純文学といった類のテイストで、物語も特段起承転結がハッキリしているわけでもなく、特に結末がどれもが「で?どうなった??」と思うところで終わっている。それも特徴。 いわゆる、あとは読者に委ねたよ、というやつ。そのあたりも純文学っぽい? よう知らんけど。 グラフィック(絵)だけど、ノヴェル、って言われるのも分かる。 本作には映画の題材となった『アンバー・スウィート』と『キリング・アンド・ダイイング』が収められている。『アンバー・~』のほうはかなりその設定を映画のほうにも盛り込んであるが、『キリング・~』のほうはサイドストーリー以下、ちょっと拝借した程度で残念。でも、面白かったお葬式ネタを映画の方でも採用してて良かったよ。 そうそう、『キリング・~』は主人公がスタンダップ・コメディアンを目指すという話の発端なんだけど(家族の反対や後押し、サポートのお話)、「スタンダップ・コメディアン」という訳のところは良かったけど、時々「お笑い芸人」って訳も出て来て、それはちょっと違うだろ、って気がするんだけど。 翻訳って難しいねー。
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何よりも解説に驚かされた。 ということは僕の読みができていなかったということだが・・・ この漫画が「信頼できない語り手」によって語られている、というのは完全に盲点だった。 「人生と同じで、最高の物語は「結末」をくれない」
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「「ホーティスカルプチャー」として知られるアートの短い歴史」 「アンバー・スウィート」 「それゆけアウルズ」 「日本から戻ってみたけれど…」 「キリング・アンド・ダイング」 「侵略者たち」
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