鯉のはなシアター の商品レビュー
余白多めの300ページ弱、読みやすい文体。タイトルから勝手に「鯉」と「恋」かしらなどと想像してしまったが、広島カープの知られざる実話エピソードを元にしたフィクション。私のように野球に興味のない人でも問題なし。広島愛が凄い!欲を言えばロマンス要素も欲しかった…
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読了。 広島商業野球部出身の放送作家のデビュー作。今や球場を真っ赤に埋め尽くすほどの人気球団に成長した広島カープの球団誕生からの実話を織り交ぜながらの話。 原爆投下で焼き尽くされた町を元気づけようと設立されたカープ。設立当初からお金もなく、解散の危機をすくった名もなき市民達。まさ...
読了。 広島商業野球部出身の放送作家のデビュー作。今や球場を真っ赤に埋め尽くすほどの人気球団に成長した広島カープの球団誕生からの実話を織り交ぜながらの話。 原爆投下で焼き尽くされた町を元気づけようと設立されたカープ。設立当初からお金もなく、解散の危機をすくった名もなき市民達。まさに市民球団といわれる所以。何故カープが市民にこれほど愛されていたのか、今も受け継がれているのがよくわかる。子供から大人まで、鉛筆を売り、募金をし、私財を投げ打って援助する。今でこそ当たり前になっているグッズ、ユニホームの広告、野球道具専用の搬送トラック…お金がないが故にみんなで知恵を出し合って始めた涙ぐましい努力。 昔の球団を知る人も、知らない人も、読めばきっと胸を打つ話の数々。 球団を初期から支え続けた女性が初優勝の祝賀会で述べた言葉が、原爆によって何もかも失った市民の胸の内だったのかもしれない。 『生きるということは、決してあきらめないこと。今日は、残りの人生の最初の1日。何があっても、あきらめないことなんです。』
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