三つの悪夢と階段室の女王 の商品レビュー
4つの短編集だけれど、どれもイライラする内容。どの登場人物もクレイジーというか行っちゃってるというか、まともな人この世界にいないんじゃないと思わせる。こういう世界ばかり作る作者はある意味すごいね。人の嫌な面を見ているようで怖い、ま、悪夢ですな。
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娘を誘拐された斉木は、誘拐犯にある場所に行くように指示される。そこは、先日若者が自殺する瞬間に居合わせた場所だった。/近所で多発する通り魔だと疑われるタカハシ。フリーターに世間の目は厳しく、自警団を名乗るものたちに監視される日々。しかしある日事件が起きて……。/息子や妻が最近危険...
娘を誘拐された斉木は、誘拐犯にある場所に行くように指示される。そこは、先日若者が自殺する瞬間に居合わせた場所だった。/近所で多発する通り魔だと疑われるタカハシ。フリーターに世間の目は厳しく、自警団を名乗るものたちに監視される日々。しかしある日事件が起きて……。/息子や妻が最近危険な目に遭っている。沢井自身もバイクで帰宅しようとしたところ、路上にロープの罠がしかけられていた。心当たりは一つだけ、あった。/階段室で女性の死体に遭遇してしまった。救急車や警察を呼ぶのも億劫だし、そもそも嫌いな女だったことがわかった。思案するうちに事態は動き出し……。 デビュー作らしい短編集。ひたすら人の悪意、悪意、悪意。全面的に後味が悪い。しかしデビュー作である一話目が一番切れ味がよかったような。
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小説推理新人賞受賞作を含む4編の短編集。 イヤミス系の作品集であるが、今、イヤミスは氾濫しているからなあ。もう少し個性を出さないと光らないし、ミステリとしても非凡さは感じなかった。2つ目の作品なんて、伏線が露骨過ぎて結末がミエミエ。 受賞作の、気がつかない内に他人の恨みを買ってし...
小説推理新人賞受賞作を含む4編の短編集。 イヤミス系の作品集であるが、今、イヤミスは氾濫しているからなあ。もう少し個性を出さないと光らないし、ミステリとしても非凡さは感じなかった。2つ目の作品なんて、伏線が露骨過ぎて結末がミエミエ。 受賞作の、気がつかない内に他人の恨みを買ってしまう話は、現代社会ならありえなくも無くて怖かった。他の作品もこの位のレベルに達して欲しかった。
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確かに悪夢だ。 市井の人々の 小さなプライドや見栄がもたらした惨事を描いている。 この小さなというのが厄介だ。 当人はこれくらいは、他の人もやっているし という言葉の元振りかざされた 正義ほど痛いものはない。 他の振り見て我が振り直せとはよくいうが 直せないからタチが悪い...
確かに悪夢だ。 市井の人々の 小さなプライドや見栄がもたらした惨事を描いている。 この小さなというのが厄介だ。 当人はこれくらいは、他の人もやっているし という言葉の元振りかざされた 正義ほど痛いものはない。 他の振り見て我が振り直せとはよくいうが 直せないからタチが悪い。
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うぇぇぇぇぇ。 面白いんだけれども、後味が悪い。 これがホラーだったらまだ大丈夫なのかもしれない。 現実にありうる、罪のない悪意の残酷さがなんともいえない。
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三つの悪夢は読後感がイヤ~な感じのホントに『イヤミス』です。ハッピーエンドが好きな私にはツライ…。 何もそこまでと思うけど、それはイジメで言えばイジメた方の意見であって、イジメられた方それも、その子が自殺した遺族の側からしたら「子どもであろうと許さない!」という気持ちは当たり前な...
三つの悪夢は読後感がイヤ~な感じのホントに『イヤミス』です。ハッピーエンドが好きな私にはツライ…。 何もそこまでと思うけど、それはイジメで言えばイジメた方の意見であって、イジメられた方それも、その子が自殺した遺族の側からしたら「子どもであろうと許さない!」という気持ちは当たり前なのでしょうね。だけど、効果的に復讐するというその執念が恐ろしすぎる! 最後の階段室の女王の話は、まだ救いというか希望があります。主人公の女性は(←ちょっと友達にはなれない感じの人ですが)この困難な局面を乗り越えれば、きっと何か吹っ切れるのではないかという未来へ小さな希望があります。自分を卑下し他人を卑屈に見る今の彼女から、少しは変われるんじゃないかなぁという希望が。
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サスペンス感あふれるミステリ短編集。どの作品も、ひりひりするような焦燥感と緊迫感が魅力で、一気に読まされます。そしてどの状況も、たしかに悪夢。嫌だなあ、あんな立場に置かれたら。 お気に入りは「階段室の女王」。いったいどうなるの!? というはらはらどきどきが止まりませんでした。主人...
サスペンス感あふれるミステリ短編集。どの作品も、ひりひりするような焦燥感と緊迫感が魅力で、一気に読まされます。そしてどの状況も、たしかに悪夢。嫌だなあ、あんな立場に置かれたら。 お気に入りは「階段室の女王」。いったいどうなるの!? というはらはらどきどきが止まりませんでした。主人公のゆがみっぷりも印象的です。 「夜にめざめて」も好き。自警団との対決には快哉を叫びましたが。うそぉ、まさかそんな展開になっちゃうの!? と愕然。これまたとんでもない悪夢。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「悪夢」3中編は2013〜16の「小説推理」初出、「階段室の女王」は書き下ろし。 「日常に潜む底知れぬ闇と狂気」という帯のコピーにつられて読んだが、確かに怖い。必然ではないのに、不条理と思えるような事態に巻き込まれ、最悪の事態へ向かっていく。 「悪夢」のひとつめは、野次馬の一人として飛び降り自殺をあおる声をかけた男が、自殺志願の男から狙われ、娘を誘拐され、殺人を強要される。 次はニートでアルバイトをしている男が通り魔の犯人扱いされ、自警団に狙われ、「正義の鉄槌」をくだされる。 三つ目は高校の時にいじめられている生徒に無実の罪をなすりつけた仲間が、20年を経て生徒の伯父から狙われて殺し合うよう仕向けられる。 階段室の女王は、マンションの階段室に倒れていた女を発見したが、同じ階の気に入らない娘だと気づいて放置しようとした女性が、倒れていた女のストーカーから探すことを強要されたあげく犯人扱いされ、殺してしまう。
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もしかすると私も明日巻き込まれるかもしれない厭ぁな事件。この厭さは事件そのものではなくそこに係るヒトの思惑。そして最初に思っていたのとは別の厭さ(しかも格上の厭さ)に絡まれる、本気の厭さ。いいねぇ。こういう不条理な巻き込まれサスペンス、大好きだ。
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