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加田伶太郎作品集 の商品レビュー

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2017/12/27

福永武彦が加田伶太郎のペンネームで発表した探偵小説集(プラスSF1篇)。片手間のお遊びで書いたから駄作的な言い訳を本人は書かれておられますが、いやはやどれもベーシックな本格ものを目指されてて面白い。 ペンネームの加田伶太郎や探偵の名前はアナグラムで決めている所から始まり、序文に『...

福永武彦が加田伶太郎のペンネームで発表した探偵小説集(プラスSF1篇)。片手間のお遊びで書いたから駄作的な言い訳を本人は書かれておられますが、いやはやどれもベーシックな本格ものを目指されてて面白い。 ペンネームの加田伶太郎や探偵の名前はアナグラムで決めている所から始まり、序文に『福永武彦』が『加田伶太郎』の友人として序文を寄せる体裁にしているところ、随筆『素人探偵誕生記』と、随所に遊び心と推理小説愛が溢れていました。 『完全犯罪』『眠りの誘惑』が好みでした。 船田学名義で書かれた未完のSF『地球を遠く離れて』も、未完ではありますが、物語が一区切りするところまで書かれてますし、面白かった。

Posted byブクログ

2017/05/14

福永武彦が加田伶太郎名義で書いた探偵小説、船田学名義で書いたSFを纏めた1冊。親本は『加田伶太郎全集』1970年、桃源社刊。 華やかさは無いが堅実で、ミステリとしては秀作が多い。随所に福永武彦らしい色っぽさも感じる。 『序』にもある通り、発表当時は社会派推理小説の全盛期だったとい...

福永武彦が加田伶太郎名義で書いた探偵小説、船田学名義で書いたSFを纏めた1冊。親本は『加田伶太郎全集』1970年、桃源社刊。 華やかさは無いが堅実で、ミステリとしては秀作が多い。随所に福永武彦らしい色っぽさも感じる。 『序』にもある通り、発表当時は社会派推理小説の全盛期だったという時代的なものも、埋もれてしまった一因なのかもしれないなぁ……。

Posted byブクログ