ソール・ライターのすべて の商品レビュー
ソール・ライターの写真は、どれもが「浮世絵」です。 ソール・ライターの写真は、どれもが「市井の物語」です。 そのまなざしは、とても温かです。 多くの写真は、1950年代に撮られていますが、構図・色の使い方など、とても60年以上前のものとは思われません。 非常に現代的であり、抒情...
ソール・ライターの写真は、どれもが「浮世絵」です。 ソール・ライターの写真は、どれもが「市井の物語」です。 そのまなざしは、とても温かです。 多くの写真は、1950年代に撮られていますが、構図・色の使い方など、とても60年以上前のものとは思われません。 非常に現代的であり、抒情的であり、まさしくアートと言えるものです。 ソール・ライターの写真は、どれもが「芸術」です。
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2017年4月、渋谷Bunkamuraを皮切りにはじまる巡回展<ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展>の図録も兼ねた一冊。 この本を手にすれば展覧会は観に行かなくても済むくらい充実している(いや、実物を観に行った方がいいのは確か)。 画家を志したソール、ブレッソンとの共通点、ソールと日本、日本画との親和性、気難しそうな若かりし頃のソール・・・ 色々なソール・ライターの知らなかった部分が一気に展示されている。素晴らしい回顧展だ。 本書を読んでその素晴らしさを振り返ることができる。映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』の日本語字幕を担当し柴田元幸氏も文章を寄せており、映画の字幕のソールの言葉を”断定口調にしないこと”を心掛けたという一文がいい。 ソールの作品は、見る側に「これが主題だ!」というものを押し付けてこない。大切なものは目には見えてこない(簡単には)。 ソ―ルの作品は、ぱっと見て目を引かれるが、何が捉えられているのであろうと、目をこらさないといけない。大切なものを探そうと心が動き出す。そんな体験をさせてくれる素晴らしい作品群だ。 そうだDVDで映画も見直そう。
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