村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り! の商品レビュー
村上春樹ファンである、大森望さん、豊﨑由美さんが村上作品をについて言いたい放題書いている。いやタイトル通り「メッタ斬り」でおもしろかった。ストーリーを思い出しながら、自分も疑問に思っていたことや前の作品と似ているような…と思ってたところを共有できたのでよかった。ハルキストは結構い...
村上春樹ファンである、大森望さん、豊﨑由美さんが村上作品をについて言いたい放題書いている。いやタイトル通り「メッタ斬り」でおもしろかった。ストーリーを思い出しながら、自分も疑問に思っていたことや前の作品と似ているような…と思ってたところを共有できたのでよかった。ハルキストは結構いるからこういうのを読んで「やっぱり」と思う人は多いような気がする。 豊﨑さんの春樹作品ベスト3は 世界の終わりとハードボイルド·ワンダーランド ねじまき鳥クロニクル 神の子どもたちはみな踊る だったけど、私はどれも読んでなかった。 今度読んでみようと思った。
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メッタ斬りコンビはどちらも好き。というか信頼している。 特に短編のよさを訴える豊崎さんの思いが溢れ、その一方で長編は、うーん……という愛憎半ばの様子が聞いていて(読んでいて)面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サブタイトルの「遷ろうメタファー編」が読めないというツッコミから始まり、珍しくオチに向かって、結論に向かって最後手じまいするところを評価している。確かに、今までの小説の中には、手じまいせずにほっぽって置かれるストーリーがいくつか残るような仕立てになっていた。しかし本作については、結婚生活が離婚届に押印して返した後で結局離婚せずに元に戻るというオチが途中で語られている。失踪した女の子に至っては、免色さんの家に居ただけ。ここは、ツッコミどころ満載で、いやそこは普通に帰れるだろ、的な感覚。ある種の子供だから見える、子供だから触れるメタファーの世界があって、そこがつながっているのが、騎士団長であるという部分を強調するシーンでもあるんだけどね。 過去の部品を一気に持ってきた、総仕上げ的な印象も与えている。1Q84もすごく面白かったので、正直メッタ斬りされているというよりは、敬愛している感じで、酒が回って色々言っている感あり。
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自分も章ごとに起こった出来事をメモしていたので、豊崎さんが時系列表を作っているのを見てとても嬉しくなりました。
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スッキリしたー! 私はまさしく雰囲気だけで読んでる読者だけど、最近のはモヤアッとしてたのを明快にしてくれた感じ。良い解説本だと思う。 ちなみに私のベストはダンスとハードボイルドワンダーランド、ねじまき鳥だな。
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マメでない村上読者にはわかりやすい解説になっていて、助かる。「色彩のない」「1Q84」の議論もあり、作品相互の関係も色々と明らかにしてくれる。 熱狂的村上信者には、薦められない。
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騎士団長とつくるのメッタ斬りは、さすがの斬れ味で爽快感満点。1Q84の感想もなるほど、って感じ。自分的には相当楽しめた作品だったけど、本作で指摘されている瑕疵は、確かに気にはなったし。でも読みが甘いのか、今だにやはり、春樹作品は長編の方が概して好きなのです。
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SF小説の指針となる本をいつも導いてくれる大森望先生と豊崎由美さんが村上春樹をメッタ斬り。 言いたい放題。しかし愛あればこそ。「愛の鞭」、「好きだからスカート捲り」の世界である。 私は「1Q84」からの読者なので、この本は弩ストライクである。気になるところを全部おさらいしてくれま...
SF小説の指針となる本をいつも導いてくれる大森望先生と豊崎由美さんが村上春樹をメッタ斬り。 言いたい放題。しかし愛あればこそ。「愛の鞭」、「好きだからスカート捲り」の世界である。 私は「1Q84」からの読者なので、この本は弩ストライクである。気になるところを全部おさらいしてくれました。やっぱり皆んなそう思うよね⁉︎ 私だけじゃなかったんだ!と思わせる指摘ばかりです。重箱の隅をつつきたくなるのが村上春樹の著作であるし、本読み同士なら酒の肴になる程面白いのも村上春樹です。142頁に豊崎先生のハルキ作品ベスト3ワースト3が載ってるんです。いづれも読んでいないので、全て読んでしまおう、と思う今日この頃です。
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再読。最近、加藤典洋とか内田樹の村上春樹本を読んでさ。けっこう面白かったんだけど、一方でメッタ斬りの本もけっこう楽しく読んだ記憶があった。だから、読み比べてみるのも面白いんじゃない、と。結果、こちらもやっぱり楽しめたと思う。思うに、ぜんぜん違う視点から語ってるんだよね。加藤氏や内...
再読。最近、加藤典洋とか内田樹の村上春樹本を読んでさ。けっこう面白かったんだけど、一方でメッタ斬りの本もけっこう楽しく読んだ記憶があった。だから、読み比べてみるのも面白いんじゃない、と。結果、こちらもやっぱり楽しめたと思う。思うに、ぜんぜん違う視点から語ってるんだよね。加藤氏や内田氏は村上春樹の小説を読んで、自分の中の思考を掘り進めるステップにしているんじゃないか。一方で大森氏、トヨザキ氏は物語として、そのものを楽しもうとしている、というかなぁ。だからSFとかミステリとかの、ジャンル小説的な視点から批判することになる。いろいろ考えさせられて、面白かったね。(2019年11月16日) あっという間に読めてしまう、軽く楽しめる本だ。こういう、本の雑談って楽しいよね。もう少し深く突っ込んでほしい気もしたけど、そうなってしまうと、軽快感はなくなるのか。なかなか難しいのかな。もっと読みたかった、というのが正直な感想なのかな。(2017年7月4日)
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邪道は承知で、「騎士団長殺し」を読まずして「メッタ斬り!」を読む。だって面白いんだもんね。メッタ斬りシリーズを愛読してきたが、このごろとんと紙媒体でお目にかかれない。「仕事を選ばず即参上」がモットーなのに、「なぜかめったにお座敷がかからない」と大森氏が書いている。出版社も「忖度」...
邪道は承知で、「騎士団長殺し」を読まずして「メッタ斬り!」を読む。だって面白いんだもんね。メッタ斬りシリーズを愛読してきたが、このごろとんと紙媒体でお目にかかれない。「仕事を選ばず即参上」がモットーなのに、「なぜかめったにお座敷がかからない」と大森氏が書いている。出版社も「忖度」するんでしょうねえ。いや、ストレートに怒っている方もおありでしょう。私は豊崎由美さんの、天下御免の言いたい放題芸が好きなので、もっと読みたいのだけど。 最後に読んだ村上春樹の長編小説はなんだっただろう。うーん、思い出せない。エッセイのたぐいはほぼ全て読んでるし、短篇も大体読んでると思う。「風の歌を聴け」でのデビューからしばらくの間は、大森氏と同じく「同時代作家」として特別な思いで読んでいた。村上春樹は、「ノルウェイの森」を書き上げたあと「こういうリアリズムの小説はもういいと思った」と書いていたが、私はそれ以降の「非リアリズムの小説」が苦手なんだな。 このことについては複雑な思いがある。まず、すごく残念だ。村上春樹の文章は大好きだから(一番好きな「エッセイスト」かもしれない)。隠喩に満ちた物語を楽しめたらどんなにいいかと思う。でも、正直言って、よくわからないのよね。 前々から疑問なのだけど、「鼠」シリーズとかそんなに多くの読者を獲得するようなお話しだろうか。「1Q84」は読んでないので、あくまで見聞きした評判からの感想でしかないが、あれもベストセラーになるような内容とはちょっと思えない。「小説読み」ってそんなに数が多いんだろうか。単に自分がそうでないものだから僻んでいるのかしらん。でも、書店でバンバン売れていくのを見ると、買ってる人を捕まえて「アナタ、ほんとーっにおもしろいと思ってる?」ときいてみたくてたまらなくなる。 また、これまた大森氏が書いていたが、「SFやファンタジーなんかのジャンル小説への敬意が低い」という指摘が当たっているように思って、これも苦手な理由の一つなんだろう。SF的設定を使う「純文学」作家は結構いるけれど、SFへの理解やリスペクトがあるかどうかってわりにはっきりわかるものだと思う。村上春樹の場合、「そんなこと知らないよ」って感じがする。でもまあ、大森氏が言うように「でもそれでいい。それで許されるのが村上春樹。三十年かけてそういう地位を獲得したわけですよ」ということだろう。 あと、なってこったい!と思ったのは、南京大虐殺が出てくるから、という理由で「騎士団長殺し」を批判する人たちがいるということ。んなバカな読み方があるかい!百田尚樹ってほんとにくだらない。なんであんな奴に本屋大賞を?と怒りが再燃した。
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