古代エジプトを学ぶ の商品レビュー

馬場匡浩(著者)

2022/02/05

　古代エジプトを学ぶはじめの一冊。

　本書は、著者の明治大学での講義をまとめたもの。取り上げるテーマやわかりやすい文章に、古代エジプトに興味を持ってもらおうという気持ちが伝わってくる。

　読んでて一番おもしろかったところは食文化や社会といったテーマの章だ。ワイン、パン、ビールといった馴染み深いものを食している古代エジプト人を身近に感じられてぐっと引き込まれたし、当時の人たちはどうやってつくってたんだろうと疑問に感じるところも事細かく解説してくれている。食の歴史に関する書籍をこれから読もうと思わせてくれる、いい章だった。

正直、図版や文章で理解できなかったところもあるが、研究者が一般人に目線を合わせてくれてる感が伝わってきてこちらも頑張って理解しようと思わせてくれた。再読したい。

2019/01/17

通史、テーマの2部で構成。通史では紀元前7000年頃の新石器時代から紀元前30年のプトレマイオス時代までを13の章にわけて説明。テーマでは、ピラミッド建設や食文化など馴染みの深い10のテーマから古代エジプトを解説した。著者の20年以上にわたるエジプトでの発掘調査経験を活かし、最新の研究成果を盛り込みながら、比較的日本語概説書の少ない紀元前3000年以前の先王朝時代も丁寧に記述している。