初期キリスト教の宗教的背景(上巻) の商品レビュー

H.-J.クラウク(著者),吉田忍(訳者),山野貴彦(訳者),小河陽

2021/04/01

キリスト教が生まれ定着していった環境そのものに焦点を当てた本。それは盲点だったなと思って読んでみたけど、ギリシア・ローマの宗教的祭儀の実践の様子など全然知らないことばかりで参考になる。宗教的な小団体に属することでアイデンティティを作ること、家に集まって儀式や食事をするというのはどこかユダヤ教や初期キリスト教の特権のように勝手に思っていたことに気付かされた。
これだけで内容を把握できるような感じではなく、どちらかというとたくさんある関連文献のガイド的な簡素な書き方で、あくまで研究補助が目的の本っぽい。