スキーリゾートの発展プロセス の商品レビュー

呉羽正昭(著者)

2018/11/15

日本の冬のレジャーといえば、何といってもスキーです。映画「私をスキーに連れてって」が公開された1987年前後には空前絶後の大スキーブームが訪れました。しかし、バブル崩壊後にはスキーブームも停滞し、スキー場に付随したリゾート施設も不良債権化の様相を呈しています。近年ではインバウンドツーリズムの受け入れなど、新しい動向もみられます。

一方で、スキー場のメッカともいえるオーストリアでは、現在でもスキーリゾートの継続的な発展がみられます。両国のこのようなスキーリゾート発展プロセスの地域的差異は、どのようにして形成されてきたのでしょうか。

「スキー」を題材にしたこうした素朴な疑問に対して、詳細なフィールドワークデータと写真・地図・統計資料によって答えてくれるのが本書です。

本書は著者のバックグラウンドである地理学に関心のある学生に加えて、観光学、アウトドアスポーツ、ヨーロッパ研究などに関心をもつ学生にも最適です。著者の撮影した豊富な写真資料も読者を楽しませてくれ、興味の尽きない一冊となっています。スキーリゾートに関心のある方はもちろん、これから冬のレジャーに出かける方も手元においておきたい本です。
（ラーニングアドバイザー/地球 SUZUKI）

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