薔薇色のまま の商品レビュー
こもろ五行歌の会代表、五行歌の会同人の遊子(ゆうこ)氏の五行歌集。 遊子氏は、草壁焔太五行歌選歌集『人を抱く青』の選者であり、展示活動、こもろ草壁塾の企画など積極的に五行歌の普及活動に貢献されている。 本書は、娘さんと娘婿氏が手掛けたスペイン語訳も24首掲載されている。 遊子氏の...
こもろ五行歌の会代表、五行歌の会同人の遊子(ゆうこ)氏の五行歌集。 遊子氏は、草壁焔太五行歌選歌集『人を抱く青』の選者であり、展示活動、こもろ草壁塾の企画など積極的に五行歌の普及活動に貢献されている。 本書は、娘さんと娘婿氏が手掛けたスペイン語訳も24首掲載されている。 遊子氏のうたは、ここまで短く本質を切りこむか! という作品が高く評価されている。 この歌集のタイトルからわかるように、多くの歌が夫への愛、家族への愛に満ち満ちている。 装丁メイキングストーリーはこちらから↓ http://shiduku.cocolog-nifty.com/heart/2017/03/post-846f.html
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「ただいまぁ」の 声に 信州は 山の緑 空の青 青空一枚で 折った鶴を 浅間のてっぺんから 世界中の空へと 飛ばしてみたいよ 黒のキャンバスに 緑 緑 緑 ふきのとう 春の太秦に 旅をした ほほほ、と 菩薩が ほほ笑んだ ...
「ただいまぁ」の 声に 信州は 山の緑 空の青 青空一枚で 折った鶴を 浅間のてっぺんから 世界中の空へと 飛ばしてみたいよ 黒のキャンバスに 緑 緑 緑 ふきのとう 春の太秦に 旅をした ほほほ、と 菩薩が ほほ笑んだ これは 念仏だ 天を劈く 蝉の 咆哮 こういう歌が歌が、私の中にあふれるような感動をもたらしたのである。私としてはそれ以外の言葉はなにも言わなくてもいいとも思う。しかし、なぜかということを推し量るのが、この本を読もうとする人々への私の務めかとも思われる。 歌の完成度にもいろいろあって、遊子さんの場合、まずは歌が徹底して短い。ということは、気持ちや思いを絞り込み、極限にまで達したところで歌にしているのである。 彼女のもう一つの特長は技術を用いないことである。 ここまで完成度を出しているのに、技術は彼女の心のなかにない。それがかえって感動を誘うのかもしれない。世人は歌をどう書くかについて考えるとき、技術というものはあると考える。それは確かにある。しかし、ほんとうに自分の気持ちを表そうとする人で、それを使わない人もいる。 人が見たいのは心であって技術ではないから、それも一つの行き方である。 (五行歌の会主宰 草壁焔太 跋文より) 市井社紹介ページもごらんください。 http://5gyohka.com/shiseisha/yuko2017bara.html
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