中南米野球はなぜ強いのか の商品レビュー
野球記というよりも中南米旅行記を野球の観点から書いた本、という方が適切か。 この本で一気に中島さんのファンになる。 野球の観点から中南米へ行くこと自体もそうだが、表現も生き生きしていて、個人的にもジャマイカやメキシコにも行ったことがあることも手助けして情景が目に浮かぶ。
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中南米の現状がダイレクトに反映されており 面白かった。 キューバはカストロ亡き後の 混沌が 建前や理想だけでは立ち行かなくなっていく様が ありありと出ていて (日を追うごとにホットドッグのクオリティーが下がっていく、インターネットの規制をしているので街のインターネットカフェにも...
中南米の現状がダイレクトに反映されており 面白かった。 キューバはカストロ亡き後の 混沌が 建前や理想だけでは立ち行かなくなっていく様が ありありと出ていて (日を追うごとにホットドッグのクオリティーが下がっていく、インターネットの規制をしているので街のインターネットカフェにも長蛇の列、そして繋がったとして1時間に写真を一枚上げれる程度) 祖国の土を踏めなくなったとしても亡命したくもなるよな ドミニカは野球の考え方を教えて行く なぜこのプレーをしてはいけないのか メジャーに上がれる人とそうでない人の差とはなど メンタリティの先にプレーがあると考えられている。 キュラソーは 他のカリブ諸国に比べオランダ領ということで 経済水準では恵まれた環境にある。 選択肢は他にある中でのMLBを目指すので 生き残るための術も考慮されている。 英語やスペイン語など語学に加え 多様性ある民族の島で育ったため コミュニケーション能力が高く 共生のための術を知っているのである。 ベネズエラはバリオと呼ばれるスラム街で 多くが育ち チャベス前大統領の一派、マフィア、軍、警察 様々な人々の思惑が渦巻いて善と悪との境界線すら はっきりとは誰もわからない。 ベネズエラのウィンターリーグは ドミニカやプエルトリコなどに匹敵する 強さを示しているが 外国人選手は夜が外出できない(お金を持ってると誘拐されるから)のでホテルと球場の行き来のみになる。 あまり選手が来ることを嫌がるような状況になっている。 内に目を向ければ アルトゥーベなどの成功により 小さくてゴロやバウンドの処理能力の高い 内野手を育てることが強化されつつある。 整備環境の整わないボコボコのグラウンドで 培われるグラブ捌きが役に立つのである。 個々の国でこんなにも違うのかというくらい違った 中南米の選手たちがメジャーで活躍するのは それ相当の覚悟と成功を手にするための ハングリーさなのかと 技術だけではない 側面を知る事ができた読書だった。
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