鉄道少年 の商品レビュー
幼少期の記憶がないのは辛いけど、鉄道を通して愛され、育てられた鉄童と呼ばれた存在だったことが分かっていく。 大人になり、変わらず鉄道を愛し、新幹線の整備士になり、結婚し、幸せになって本当によかった。 と、国鉄の古き良き時代も味わえた。 特に鉄道ファンではないけど、郷愁というか、切...
幼少期の記憶がないのは辛いけど、鉄道を通して愛され、育てられた鉄童と呼ばれた存在だったことが分かっていく。 大人になり、変わらず鉄道を愛し、新幹線の整備士になり、結婚し、幸せになって本当によかった。 と、国鉄の古き良き時代も味わえた。 特に鉄道ファンではないけど、郷愁というか、切ない感じが良かった。 J Rで旅にでたいなぁ。
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JRがまだ国鉄だった頃、北海道から東京まで一人で旅する男の子がいた。『鉄童』と呼ばれた少年の真実とは?謎と希望に満ちた、人と鉄道の絆の物語。 コンプライアンスに縛られた現代に比べ、昭和の時代のおおらかさがとても温かい。人々の懐の深さが孤独な少年を救い、また大人になって次の世代の成...
JRがまだ国鉄だった頃、北海道から東京まで一人で旅する男の子がいた。『鉄童』と呼ばれた少年の真実とは?謎と希望に満ちた、人と鉄道の絆の物語。 コンプライアンスに縛られた現代に比べ、昭和の時代のおおらかさがとても温かい。人々の懐の深さが孤独な少年を救い、また大人になって次の世代の成長を促していた。鉄道に関する蘊蓄が、おそらくマニアも納得のヒューマンストーリー。
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※このレビューにはネタバレを含みます
物語全体を覆う謎解き、佐川作品には珍しくミステリー?かと思いきや、謎解き要素はあるものの、やはりそこは佐川光晴、上手くて読ませる職業小説であり家族小説として展開していく。 温かい小説を読みたい鉄道ファンは是非読んでほしい。 交通手段は生活を便利にするためにある。より早くより快適に目的地につくこと、インフラとしての鉄道はそうでなければならない。新幹線、リニア、在来線のオール電化、高速化、トンネルや架橋…そして人口が集中化する以上、過疎地域のダイヤ減少や廃線も営利企業である以上やむを得ず行われる。そして古き良き鉄道の旅の醍醐味やロマンは影をひそめ滅んでいく。 それでも鉄道はまだまだ滅びないだろう。生活に根差したライフラインであり、自動車や飛行機に無い運輸能力がある以上。滅びないということはロマンが新たに生まれる土壌もあるということだ。 俺自身は熱心な鉄道ファンではない、電車の中では本を読んでるだけだし、便利であれば自動車でも飛行機でも舟でも高速バスでもなんでも使うし…。 それでも、出張に使う新幹線の座席に座って枕木を踏みしめる車輪のリズムをなんとなく感じる時、陸橋を渡る通勤電車の窓から淀川に落ちる夕日をみた時、たまーにやる青春18切符旅の合間に「やっぱり鉄道はいいなぁ」と感慨にふけることもある。鉄道はやっぱりどこか特別だと思う。 ところで、文庫タイトルはどうやろ?俺は原題の「鉄童の旅」のままの方がいいと思うのだが?
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プロローグから第二話まで、鉄童と呼ばれていた時のゆかりの人を訪ねる話が続き、このまま記憶を取り戻す旅が続くのかと思っていたら、良い意味で裏切られた。まるで転轍機で別の路線へ進むように妻・友紀子との日常や、雑誌「鉄道の友」編集者との交流が語られる。特に「鉄道の友」に寄せられた6巻の...
プロローグから第二話まで、鉄童と呼ばれていた時のゆかりの人を訪ねる話が続き、このまま記憶を取り戻す旅が続くのかと思っていたら、良い意味で裏切られた。まるで転轍機で別の路線へ進むように妻・友紀子との日常や、雑誌「鉄道の友」編集者との交流が語られる。特に「鉄道の友」に寄せられた6巻のカセットテープを聞く主人公の描写によって、彼が何故記憶を失い、孤児として児童施設にいたのかを知らされる。鉄道に寄り添うような情景に、鉄道ファンとして満足の一冊。
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