風のアンダースタディ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
好きな歌 [間違って降りてしまった駅だから改札で君が待ってる] [階数のボタンよりも真っ先に【閉】のボタンをつよく、強く押す] [早送りすればテレビの画面から通過電車のような風受く] [レジの子とやっぱり今日も目が合った防犯カメラに誓ってもいい] [来る来ないそんなことより待ち人は誰のことなのおみくじに訊く] [きみはまたわたしの角を折り曲げるそこまで読んだ物語として] [ニュースにて山火事見ていればぬるい夕焼け迫りくる窓] [返事なら急がないよと手のひらでカリリとつぶした落ち葉が痛い] [コサージュをつぶさぬように庇うけどそこにはなにも咲いてないけど] [ハンガーに綿のブラウス羽織らせてきょうのわたしのアンダースタディ] [わたしだけカーテンコールに呼ばれないやけにリアルなお芝居でした] [舌裏にかくしておいた錠剤が果実の種になりますように] [言いかけてやっぱりいいやと呟いたクルトンひとつ沈めるように] [〈※画像はイメージです〉というテロップを見つけてしまう星空の窓] [マフラーやネクタイ贈れば気のせいか怯えた目をするあなたと思う] [前髪の分け目をひだりに変えました今度はあなたがひざまずく番] [立てこもりのLIVE映像見ていれば日付が変わりマイバースディ] [容疑者にかぶされているブルゾンの色違いならたぶん、持ってる] 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 自分の立っている足元が揺らがされるような、不安感を感じる歌が多いと感じる。 そしてその不安感すら愉しんでいるような毒を含んだユーモア。 加藤治郎さんの解説も理解を助けてくれた。 アンダースタディ、とは、“代役”のことらしい。
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本ぜんたいを見通すと、言葉のなかにある思想・トリック・感情よりも、言葉そのものの綺麗さの方が目立っている気がする。ちょっとホラーテイスト。 この辺は海だったんだというように思いだしてねわたしのことを ドライヤーかけてるきみの背中には本当のこと言えそうなのに シャンプーを変え...
本ぜんたいを見通すと、言葉のなかにある思想・トリック・感情よりも、言葉そのものの綺麗さの方が目立っている気がする。ちょっとホラーテイスト。 この辺は海だったんだというように思いだしてねわたしのことを ドライヤーかけてるきみの背中には本当のこと言えそうなのに シャンプーを変えるきっかけほしいからあなたのことを好きになろうか このあたり(序盤)は思想の方がたっていて、尚かつ生活に根ざしている距離の近さが好ましかった。綺麗な言葉のパッチワークよりも新しい言葉の骨格にふれたい。
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#短歌 p.6 この辺は海だんたんだというように思いだしてねわたしのことを 隠してたこんなくぼみのあることをきみにはただの水たまりだけれど p.23 ハンガーに綿のブラウス羽織らせて今日のわたしのアンダースタディ p41 水底の硝子にふれてしまうまでピアノの白鍵たたき続ける p4...
#短歌 p.6 この辺は海だんたんだというように思いだしてねわたしのことを 隠してたこんなくぼみのあることをきみにはただの水たまりだけれど p.23 ハンガーに綿のブラウス羽織らせて今日のわたしのアンダースタディ p41 水底の硝子にふれてしまうまでピアノの白鍵たたき続ける p45 シリコンのリストバンドで隠しても減菌ガーゼにしみる雨つぶ p59 しゃらしゃらと流水麺をすすいではFMで聴くウェザーリポート
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