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中世英国人の仕事と生活 の商品レビュー

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2024/06/03

1066年のノルマン人による征服から、1536年のヘンリー八世に よる修道院解散までの470年を、イングランドの中世と捉え、 その時代での農民から王までの様々な人々の生活について、 時代の変遷の中での変化と真実を追う。 ・カラー口絵4ページ ・序章 第一章 農民 第二章 吟遊詩人...

1066年のノルマン人による征服から、1536年のヘンリー八世に よる修道院解散までの470年を、イングランドの中世と捉え、 その時代での農民から王までの様々な人々の生活について、 時代の変遷の中での変化と真実を追う。 ・カラー口絵4ページ ・序章 第一章 農民 第二章 吟遊詩人 第三章 無法者 第四章 修道士 第五章 哲学者 第六章 騎士 第七章 乙女  第八章 王 訳者あとがき 注、参考文献有り。 時代の変遷の中では、戦乱や自然災害、黒死病での多くの死が あった暗黒の日々もあった。だが、飢饉が豊作に転じたり、 農業技術の向上、隷民から自由民へ等で、実は農民は、 自由時間があり、野菜たっぷりのヘルシー食を満喫していた。 吟遊詩人は、総合エンターテイナーであり、広報マン。 時代の流れの中で消滅してしまうが、彼らが携わった 土着語・詩・文学・戯曲が国中に広がってゆく。 平民にとって自由と正義の象徴と謳われた無法者たちの実態は? ノルマン征服からの法と裁判の混乱が見えてくる。 禁欲生活と富の蓄積は両立しない。修道士たちの真実は、 巨大営利企業で、信仰は金。民衆の全国的蜂起の標的に なったのも、さもありなん。 哲学者の話は錬金術と自然哲学の歴史。 騎士の目的は、戦い・名声を得る・金を得る。 異教徒と異端者を殺しまくるが、有り様は傭兵へ移行する。 中世の乙女の姿は逞しい。城守・権力・地位の保全に尽力も。 王は、死人に口無し。旧体制の記憶は歪曲され、新体制の プロバガンダに利用される。善王・悪王・醜王の真実とは。 消された歴史・歪められた真実・創作もりもりの戦記等、 様々な国の歴史にはあるものですが、中世イングランドも同様。 しかも、騎士や乙女は後世の中世への憧れというか、 ファンタジックな創作で変容しちゃった感がまじまじと。 そんな真実暴露をウィットたっぷりで語る、著者の一人は、 かの“モンティパイソン”のテリー・ジョーンズ。 全裸でオルガン弾いたり、金貸してくれ詩人を演じた、あの方です。 真摯な歴史の本ですが、かなり面白く興味深い内容でした。

Posted byブクログ

2017/05/12

モンティパイソンのメンバーとしての方が日本人には知名度が高いかな。歴史家・テリー・ジョーンズが2004年に出版した本の翻訳(BBCのテレビシリーズにあわせて書かれたモノ)。 イギリスの中世といっても幅があるので(日本史で言うと平安時代~戦国と数百年の間に支配階級の変化があるのと同...

モンティパイソンのメンバーとしての方が日本人には知名度が高いかな。歴史家・テリー・ジョーンズが2004年に出版した本の翻訳(BBCのテレビシリーズにあわせて書かれたモノ)。 イギリスの中世といっても幅があるので(日本史で言うと平安時代~戦国と数百年の間に支配階級の変化があるのと同じ感じで)、時代背景が移り変わっていく中、農民も修道士も騎士も王様もしたたかに生きていたんだな(笑)というのが判りやすく説明されてて面白かった。 乙女(Damsel)の項目が特にお気に入りで。騎士物語に出てくる囚われのお姫様、みたいなのは後世の作り上げたイメージで、実際に中世の姫様たちも辣腕を振るってたくましく生きてたのはなるほどなぁと。

Posted byブクログ