魔界への入口 の商品レビュー
the Cthulhu Mythos files. why space emperor weaken now? like a real baikin-man!
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タイトルにはクトゥルーが入っているが、収録されている短篇の全てがクトゥルーものというわけではない。 但し何編かには、ヨグ=ソトホートなどの名前が見えるし、そこはかとなく作中に邪神の存在をほのめかせているものもある。 ヨグ=ソトホートを登場させるからかもしれないけど、宇宙の終わりを...
タイトルにはクトゥルーが入っているが、収録されている短篇の全てがクトゥルーものというわけではない。 但し何編かには、ヨグ=ソトホートなどの名前が見えるし、そこはかとなく作中に邪神の存在をほのめかせているものもある。 ヨグ=ソトホートを登場させるからかもしれないけど、宇宙の終わりを描いたものが幾つもあった。 クラーク・アシュトン・スミスの作風を思わせるものも。 つまり、終末を描いていても、赤裸々に血みどろの修羅場ではなく、不思議に怖ろしく幻想的な、悪夢のような作品がいくつもあるのだ。 それは、多彩でもあるのだけど、倉阪鬼一郎のホラーで最も重要な色は、やはり「赤」かな、と思う。 必ずしも血の赤というわけではなく、グロテスクなのに美しい赤があちこちに描かれている。 特に今回印象深く、好きだと思った短篇は、 『常夜舟』……江戸時代を舞台に、辛すぎる状況に追い詰められた兄妹の哀しい物語。そこはかとなく、海の邪神(あのひと!)の存在が示唆されているようだ。 『そこなし沼』……オーソドックスなホラーと思えるけれど、登場する古書にまつわる恐怖が背筋をぞわぞわさせてくれる。
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