金田一耕助 の商品レビュー
児童書、総ルビ、難言語解説付、4年生位から。 蝙蝠と蛞蝓、夢の中の女の二作が読めます。作品解説と読書ガイドが後書きされていて、丁寧な作りです。ペテンとか、なまめかしいとか、言葉解説も丁寧で、あー、こんな表現でも引っかかるのかと改めて感じさせられます。 本物の金田一シリーズは多分殺...
児童書、総ルビ、難言語解説付、4年生位から。 蝙蝠と蛞蝓、夢の中の女の二作が読めます。作品解説と読書ガイドが後書きされていて、丁寧な作りです。ペテンとか、なまめかしいとか、言葉解説も丁寧で、あー、こんな表現でも引っかかるのかと改めて感じさせられます。 本物の金田一シリーズは多分殺人・猟奇・不倫などてんこ盛りだと思うけど、まあこの位ならセーフ?古典だしね。
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先日BSでドラマ化されていた「蝙蝠と蛞蝓」を読んでみたくて図書館で探したらまさかの児童書。 『妾』という言葉が出てくる大人向けの作品なのだが児童書扱いで大丈夫なのか?と思いながらも読んでみた。 ドラマの方は毎度のことだが斬新な演出で賑やかだった印象だが、この原作もなかなか新鮮。...
先日BSでドラマ化されていた「蝙蝠と蛞蝓」を読んでみたくて図書館で探したらまさかの児童書。 『妾』という言葉が出てくる大人向けの作品なのだが児童書扱いで大丈夫なのか?と思いながらも読んでみた。 ドラマの方は毎度のことだが斬新な演出で賑やかだった印象だが、この原作もなかなか新鮮。 何しろあの有名探偵・金田一耕助を主人公の湯浅は知らないのだ。湯浅から見た金田一はとにかく胡散臭く鬱陶しい『蝙蝠』。そしてもう一人、『蛞蝓』と名付けた誰かの妾だった女を観察しているのだが、『蛞蝓』は金があるうちは明るいが金が尽きると遺書を書き出すエキセントリックな人間だ。 二人が気に入らない湯浅は腹いせに二人を題材に小説を書く。しかし後にその小説通りに『蛞蝓』が殺され、小説とは違って『蝙蝠』ではなく湯浅が犯人として逮捕されてしまう。 湯浅の語り口がべらんめえ調なのもシリーズ作品としては新鮮。短編だけに金田一の推理が切れ味鋭く、急転直下な展開も良い。犯人は予想通りだが、湯浅が犯人に仕立てられたそのトリックも驚かされる。終戦直後という時代感あっての設定やカラクリが楽しい。今なら絶対に出来ないだろう。 もう一編の「夢の中の女」。 三年前に姉が殺された事件の調査依頼をした『夢見る夢子さん』と呼ばれる、夢想家の娘が金田一を騙る手紙に誘き寄せられて殺された。 三年前の事件と全く同じ場所、姉と同じ格好で殺されるという何とも意味深な事件なのだがこれまた短編集らしく意外な結末へ。 置いてきぼり感がなくもないが、意外な構図と、ちょっとトボケた金田一を描きたかったのかな、と思う。 これまた愛人だのパトロンだの児童書には似つかわしくない言葉が満載。 児童書だけに文字が大きくて読みやすかった。 しかしこの作品を足掛かりに他のシリーズ作品も…と子どもたちが思ってくれるかは疑問。確か児童向けの金田一ものもあったと思うが、こちらはそれより背伸びしたい高学年向けだろうか。
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初めて読むにはよい。きちんと解決するけど、最後保護してもらおうとか、ちょっと頼りない一面も魅力もひとつ。金魚鉢に指紋を残す方法が大胆すぎてびっくりした。
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