砂漠ダンス の商品レビュー
小説といえばこれだよ! 映画化できない、コトバの編み物なんだよ! とはいえ、何が面白いのかわからないという気持ちもわからないでもない。
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子供が作り話で遊んでいるときには、だいたい「死んじゃった」で終わることが多い。終わるどころか、何度も繰り返されたりする(大人の前ではあまりそういうことを言わないかもしれない)。おそらくそのような意味で、この短篇集は死と病気に溢れている。 だいたい、話から話につながる力の弱さが子...
子供が作り話で遊んでいるときには、だいたい「死んじゃった」で終わることが多い。終わるどころか、何度も繰り返されたりする(大人の前ではあまりそういうことを言わないかもしれない)。おそらくそのような意味で、この短篇集は死と病気に溢れている。 だいたい、話から話につながる力の弱さが子供じみている。子供が遊ぶ「作り話」に大人が持ち得る文章力と(子供に比べれば)膨大な知識が当て嵌められているから、これらは子供の作り話ではなく小説に見えるし、小説になっている。 しかし子供が作り話で遊ぶような心積もりで読まないと、何も愉しくない。「死んじゃった」の連続の重みを大人は知っている。子供に遊ばれるように、遊ばれている小説の中には、事故、自殺、殺人、病気、死で溢れている。すべては「死んじゃった」であって、しかしその重みを知っていることの不思議。山下澄人は文章の書ける成人男性だ。それがこの短篇集を不思議なものにしている。
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「皆にわかるように、誰が読んでも読み間違わないように書きましょう。」とか、言われて、書き直しをさせられる子供がいますが、そんな子が、まんま、書きました。
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