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中野京子と読み解く運命の絵 の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2022/09/21

名画の解説だが、絵そのものや画家については短い説明があるだけで、殆どは書かれているテーマ、内容、物語を説明する。素晴らしいエンターテイメント。

Posted byブクログ

2021/07/29

イギリスは文学の国だけに絵画にも物語を求める気持ちが強いらしいが、西洋画一般に言えることかもしれない。ルネサンス以後、西洋画ではキリスト教の教義を伝えるということから歴史画の格が一番高いということも、絵画に物語を求めることに繋がるだろう。といっても、ダヴィッド「書斎のナポレオン」...

イギリスは文学の国だけに絵画にも物語を求める気持ちが強いらしいが、西洋画一般に言えることかもしれない。ルネサンス以後、西洋画ではキリスト教の教義を伝えるということから歴史画の格が一番高いということも、絵画に物語を求めることに繋がるだろう。といっても、ダヴィッド「書斎のナポレオン」がその年、モスクワ遠征を迎える、アルトドルファー「アレクサンドロスの戦い」の2王、ブリューロフ、ショパン「ボンペイ最後の日」のように歴史的に有名な運命もあるし、神話の運命、市民・庶民・国家・画家自身の運命もあり、様々である。ブローネル「自画像」は画家が故意に事実と違う左目がどろりと崩れたのを描いたが、その数年後、実際に左目を摘出する羽目になって仕舞ったのだ。まさに予言の絵画である。画家自身「絵画に襲い掛かられた」と言っている。その事件以後、彼独自の絵画を描くようになった。「魅惑」という絵など奇妙な絵で、妙に惹かれる。ヴィンターハルター「皇后ウジェニー」のウジェニーや取り巻きの女性たちは、当時流行のクリノリンを着装していて、スカートがむやみに広がっている。鉄の鳥籠のようなものをつけるなんて恐れ入る。腰を締めすぎて失神した女性もいるそうだ。ウォータハウス「ヒュラスとニンフ」はアルゴ探検隊の一挿話だが、ヒュラスはヘラクレスの稚児で、ニンフに池に引きずり込まれるのは、女性への目覚めを意味しているのではないかという。なるほど。ニンフたちは、ほとんど同じような顔だが、結構かわいい。

Posted byブクログ

2021/06/08

 タイトルそのまま、運命を物語って余すところないブローネル自画像。その迫力に慄然とした。  ウォーターハウス「ヒュラスとニンフ」、絵ハガキでの複製画を持っているのに、妖精の一人が手のひらへ真珠をのせていることを指摘されてようやく知った。  中野京子一連の著書は、世界史の復習・補...

 タイトルそのまま、運命を物語って余すところないブローネル自画像。その迫力に慄然とした。  ウォーターハウス「ヒュラスとニンフ」、絵ハガキでの複製画を持っているのに、妖精の一人が手のひらへ真珠をのせていることを指摘されてようやく知った。  中野京子一連の著書は、世界史の復習・補講になるので有難い。

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2021/04/09

一枚の絵画に秘められた<運命>の物語、その凝縮された謎を紐解いて語られる贅沢なガイドブックです。コロセウムで剣闘士がローマ皇帝の裁可を待つジェロ-ム作『差し下ろされた親指』の運命の瞬間、ロシア遠征を前にして画家の前でポーズをとる時間のなかったダヴィッド作『書斎のナポレオン一世』、...

一枚の絵画に秘められた<運命>の物語、その凝縮された謎を紐解いて語られる贅沢なガイドブックです。コロセウムで剣闘士がローマ皇帝の裁可を待つジェロ-ム作『差し下ろされた親指』の運命の瞬間、ロシア遠征を前にして画家の前でポーズをとる時間のなかったダヴィッド作『書斎のナポレオン一世』、ムンク作『叫び』の強烈なインパクトに潜む狂気など、著者の奥行のある解説によって、アートの魅力を身近に感じることができる一冊です。

Posted byブクログ

2020/08/11

日本史&音楽選択の私でも分かるように書かれててありがたい( ・ᴗ・̥̥̥ ) 過去の人が描いた言葉を持たない謎を秘めた絵画たち… これだから歴史もアートも読書もやめられない

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2020/08/08

よく知らない画家、見たことない絵が多いし、時代もやや古典とかそれほど…ってのが多いけど、なるほど鑑賞のポイントがわかりやすくて、とてもドラマチックに見えてくる。 西洋絵画だけでなく日本画でもこういうのでないかなーって思う。探せばあるのかな。

Posted byブクログ

2019/09/27

有名な絵はあまりありませんが、ギリシャ神話、オランダの建国のことなど、簡潔にまとめられていて、興味深かったです。

Posted byブクログ

2019/08/21

絵画だけでなく、背景にある歴史や風俗なども知ることができて面白い。 理解した上で対象の運命を表現する絵もあれば、時代の転換期に生まれ結果的に運命を表現してしまった絵もある。 芸術家たちは何か使命感のようなものをもって作品を残したのか、または引き寄せられるようにして描いたのか、もし...

絵画だけでなく、背景にある歴史や風俗なども知ることができて面白い。 理解した上で対象の運命を表現する絵もあれば、時代の転換期に生まれ結果的に運命を表現してしまった絵もある。 芸術家たちは何か使命感のようなものをもって作品を残したのか、または引き寄せられるようにして描いたのか、もしくは依頼されたからただ描いただけなのか、 そのようなことにも思考を巡らしたりして楽しかった。

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2018/01/26

【収録作品】ローマ帝国の栄光と邪悪…ジェローム「指し下ろされた親指」 擬人化された「運命」…ベッリーニ「好機」/デューラー「ネメシス」 一度見たら忘れない…ムンク「叫び」 夜明けの皇帝…ダヴィッド「書斎のナポレオン一世」 謎々を解いた先に…モロー「オイディプスとスフィンクス」/シ...

【収録作品】ローマ帝国の栄光と邪悪…ジェローム「指し下ろされた親指」 擬人化された「運命」…ベッリーニ「好機」/デューラー「ネメシス」 一度見たら忘れない…ムンク「叫び」 夜明けの皇帝…ダヴィッド「書斎のナポレオン一世」 謎々を解いた先に…モロー「オイディプスとスフィンクス」/シュトゥック「スフィンクスの接吻」 アレクサンダー大王、かく戦えり…アルトドルファー「アレクサンドロスの戦い」 風景画の誕生…ホッベマ「ミッデルハルニスの並木道」 事故か、宿命か…ブローネル「自画像」/同「魅惑」 クリノリンの女王…ヴィンターハルター「皇后ウジェニー」 ドイツ帝国誕生への道…メンツェル「ヴィルヘルム一世の戦線への出発」 愛する時と死せる時…アングル「パオロとフランチェスカ」/シェーフェル「パオロとフランチェスカ」 ロココ式 没落過程…ホガース「当世風結婚」Ⅰ~Ⅵ 故国で行き倒れになるよりは…ブラウン「イギリスの見納め」 少年は森に消えた…ウォーターハウス「ヒュラスとニンフ」 聖痕の瞬間…マックス「アンナ・カタリナ・エンメリヒ」/ジョット「聖フランチェスコ」 ヴェスヴィオ火山、大噴火…ブリューロフ「ポンペイ最後の日」/ショパン「ポンペイ最後の日」 感じるだけではわからない…ルノワール「シャルパンティエ夫人と子どもたち」

Posted byブクログ

2018/02/27

中野京子先生の本はとりあえずわかりやすいし面白い。 西洋画の見方を教えてくれたといっても過言ではない。 んだが。 なんつーかなにより中野先生の、ちょいといじわるばあさんぽいノリツッコミが好きなんじゃないかと思ってしまう今日このごろ(笑)

Posted byブクログ