古代地中海の聖域と社会 の商品レビュー

浦野聡(編者)

2021/04/29

古代地中海の聖域とはどんな場所だったか、それを通して見える社会はどのようだったかというテーマの論文集。古代地中海といっても年代も地域も幅広い。当然に個々の論文はピンポイントな論点のものが多く、もうちょっと歴史とか概論しっかり読んでから読んだほうが良かったかも。
難しかったのは1章のソクラテスの話、面白かったのは6章の地方における聖域と宗教活動においての皇帝・総督・住民の綱引きや、最終章のトロスの聖堂遺跡の発掘で古代から中世にわたる建設と破壊・再建、利用の歴史を丹念に紐解いていく話。でもやっぱりもうちょっと教会史とかローマ史読んでからにすればよかった…という思いが強い。