机と椅子 の商品レビュー
五行歌の会同人の河田日出子さん、詩集2冊を出版されているが、意外に初めての五行歌集。 在宅介護の記録『俺はこわれちゃったんだよ』で多くの反響を読んだ「介護の五行歌」も掲載されている。 長く文学の道を選び歩まれてきた、まっすぐな気性と、すべてをつまびらかに表現する素直さにみちた歌集...
五行歌の会同人の河田日出子さん、詩集2冊を出版されているが、意外に初めての五行歌集。 在宅介護の記録『俺はこわれちゃったんだよ』で多くの反響を読んだ「介護の五行歌」も掲載されている。 長く文学の道を選び歩まれてきた、まっすぐな気性と、すべてをつまびらかに表現する素直さにみちた歌集。 装丁メイキングストーリーはこちらから↓ http://shiduku.cocolog-nifty.com/heart/2017/03/post-8b0a.html
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河田日出子さんについて語るとき、「畏友」という言葉が頭に浮かぶ。これほど慣れ親しんだ友もおらず、これほど文学の道で深く付き合った友もいない。そういう間柄であって、なお「畏友」という言葉を私が思うなら、最もよい関係を築いてきたといえるような気もする。 これは他の人々もそう思うら...
河田日出子さんについて語るとき、「畏友」という言葉が頭に浮かぶ。これほど慣れ親しんだ友もおらず、これほど文学の道で深く付き合った友もいない。そういう間柄であって、なお「畏友」という言葉を私が思うなら、最もよい関係を築いてきたといえるような気もする。 これは他の人々もそう思うらしく、彼女を語るとき最も信頼する人のように語る。たとえば若い女性なら、彼女のようになりたいという。 自身の若い頃についていう歌に、「みんなに頼られた」という言葉があった。まずはそういう人であった。彼女との協力関係はもう四十年を超えているが、その間、その方向はまさしく文学に向かう人同士のものだった。 人生を一貫して文学運動に専心した私にとって、彼女は私の情熱に呼応してくれるもう一人の運動者だった。 このたび、彼女の五行歌を撰し、構成もして、私は一つ大きな驚きを覚えた。彼女の場合、「文学」という一章が立つことである。いかに彼女が文学に気持ちを傾けていたかがわかる。私の歌集の場合、「詩業」という章題がふさわしいだろうか。 この歌集は、彼女のすべてのようにも見える。おおかたのことを正直に書ききっている。だが、それでも全貌とはいえないとも思う。 文学とは、そういうものではないだろうか。すべてを書ききろうとするが、すべてを書ききれるものではない。 五行歌の会主宰 草壁焔太(跋文より)
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