幕末・明治の横浜 の商品レビュー

斎藤多喜夫(著者)

2017/11/30

西洋から横浜に伝わった様々な文化、これをどのように消化し、横浜の地に根付いていったのかを書いた本。この手の本の中では、今まで読んだ中で最も詳細に書かれている。
西洋人がいかにして極東の日本で、上手く生活して行くのも困難の連続であっただろう。それに応えて行った日本人も、柔軟性があって、技術も有りたいしたものであった。
元町のジェラール水屋敷のジェラールさん。失意のうちにフランスに帰ったと思っていたのだが、実はかなりの成功を収めて故郷に凱旋し、利息で悠々と暮らしていたとの事。日本から持ち帰った、鎧兜や焼き物など何千点も地元の博物館に寄贈したというから、結構な名士となったようだ。
そうかと思えば成功したと思っていた、ビール会社の人は晩年寂しい暮らしだったようで、よくぞ調べて頂いた本である。