綺良のさくら の商品レビュー
江戸時代初期の盛岡藩。 重臣の娘で、両親から愛され、健やかに、のびのびと育った綺良。 南部藩の二代目 重直の短気で、我儘な行いを 戒めたばかりに、桜木家の兵庫は、禄を召しあげられてしまう。 一瞬のうちに、今まで平和だった世界が、変わってしまう。 今、この地上でも、ある大国の指導...
江戸時代初期の盛岡藩。 重臣の娘で、両親から愛され、健やかに、のびのびと育った綺良。 南部藩の二代目 重直の短気で、我儘な行いを 戒めたばかりに、桜木家の兵庫は、禄を召しあげられてしまう。 一瞬のうちに、今まで平和だった世界が、変わってしまう。 今、この地上でも、ある大国の指導者の一声で、侵攻と殺戮、強奪、強姦、拷問などで、多くの人が、一瞬のうちに、命を奪われている。 不本意ながらも、そのような上位の者を戒める事、止める事は、出来ないのか?と、思われてしまう。 この2代目も、自分が、一度声に出してしまったら、後に引けないのか???、結局は、自分の愛した者と自分の姿なき子供を 殺してしまう事になってしまっている。 綺良も、親の一言で、身分が下がり、幼き時から思いを募らせていた者が、自分から、どんどんと遠ざかっていくことに、・・・ 親の庇護、そして、兄の庇護で、育ったけど、皆、病死で、後ろだてになるものを無くしてしまう。 自分に何が出来るのか?と、模索しながらも、女でありながら、自立していく姿に、武士の娘の意地を見るようであった。 お家再考には、この時代、大変な時代であったと思う。
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今井絵美子さんが、病の淵で描いた作品。 盛岡南部藩の重臣であった父、桜木兵庫。 末っ子の綺良は初めての女の子で可愛がられて伸び伸びと育った。 現藩主が病でなくなると、性格に何がある短気な重直により、旧重臣はほとんど首になる。 時代は家光の時代。幕府はどこの藩を無くするかで、奔...
今井絵美子さんが、病の淵で描いた作品。 盛岡南部藩の重臣であった父、桜木兵庫。 末っ子の綺良は初めての女の子で可愛がられて伸び伸びと育った。 現藩主が病でなくなると、性格に何がある短気な重直により、旧重臣はほとんど首になる。 時代は家光の時代。幕府はどこの藩を無くするかで、奔走。 大きな弱点を見つけては取り潰しとしていた時代。 華美な建物を増設しようとする藩主に諫めようとした桜木はお役御免になり、五十石以下の役目に。兵庫は隠居。 立て続けに不幸が不幸を呼ぶ。 そんな綺良が運命に翻弄されながらも自分の道を見つけてゆくお話になっているが、盛岡についての歴史的史実も多く盛り込まれて、地元ファンが喜んでくれるお話に仕上がっている。 当時の伊達政宗との確執や、産物が少なく、冷害が起こり、しばしば川の氾濫も起きていたという、貧困に喘ぐ土地柄で、土地に住むものの辛抱強さや、困難に立ち向かう人柄がよく描かれていて、方言が心地よい。
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