「学びに向かう力」を鍛える学級づくり の商品レビュー
二人の優れた若手教師による実践報告。 「ああ、これはいい先生だなあ」と心から思った。 教師の実践報告は、カルトのような学級経営を誇らしげに語っていたり、自己陶酔的なものが多かったりするものなのだけれども、このお二人にはそういったところが全くない。 むしろ、この本のなかでは、...
二人の優れた若手教師による実践報告。 「ああ、これはいい先生だなあ」と心から思った。 教師の実践報告は、カルトのような学級経営を誇らしげに語っていたり、自己陶酔的なものが多かったりするものなのだけれども、このお二人にはそういったところが全くない。 むしろ、この本のなかでは、うまくいった指導と同じくらい、以前の自分の指導がいかに未熟だったか、ということにも言及されている。つねに子どもの側から自分の指導の成否を考える。その謙虚に学ぶ姿勢に僕は感銘を受けた。 こうして過去の自分を他者の視点から批判的に見ることができる人は自分を成長させることが上手いものだが、そうした深いレベルでのリフレクションが日常的にできる人は、なかなかいないだろう。 その意味では、この本は、教育者がどのようにして自分自身を振り返り、成長していくか、について書かれた本でもある。 自分に子どもがいたとして(と考えることはその教育が良いものであるかどうかを判定する際にいつも問うことなのだが)、こんな先生にだったら、子どもを安心して預けられると思った。
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