魂でもいいから、そばにいて の商品レビュー
この本を読む度に私はきっと、東日本大震災の恐ろしさを思い出せると思います。 ニュースや記事になっていない、誰にも知られていないお話にこうやって触れることが出来るのはありがたいことです。 小さなお子さんの話は特に心が痛みました。 やはり他人事ではなく、こうして自然災害の脅威を再認識...
この本を読む度に私はきっと、東日本大震災の恐ろしさを思い出せると思います。 ニュースや記事になっていない、誰にも知られていないお話にこうやって触れることが出来るのはありがたいことです。 小さなお子さんの話は特に心が痛みました。 やはり他人事ではなく、こうして自然災害の脅威を再認識することは大事なことだと思います。
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東日本大震災後の霊体験のインタビューなのだけど、被災した方達の震災そのもののリアルな証言に、ショックを受けた。 小学生の息子が見つかったという知らせを受けて母親が駆けつけると、発見してくれた自衛隊の方達が鼻水を垂らしながら大泣きしていたという話津波から引き上げてもらう時に下や後ろ...
東日本大震災後の霊体験のインタビューなのだけど、被災した方達の震災そのもののリアルな証言に、ショックを受けた。 小学生の息子が見つかったという知らせを受けて母親が駆けつけると、発見してくれた自衛隊の方達が鼻水を垂らしながら大泣きしていたという話津波から引き上げてもらう時に下や後ろを見るなと強く言われた話。自分達で火葬場を探し回った話。涙なしには読めない。 東北にはオガミサマという霊能者が話を聞いてくれる存在があったそうだが、廃れかけていたのが少し復活しているそうである。このような時には 相手が誰であっても、話をただ聞いてくれるという事で、大勢の人々が救われる事があるのだと思う。
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岡部さんは、岡部医院の看護師が、津波で流された場所に立った時、人間の死を個人の死ではなく、大自然という大きな命の下に繋がって生きていた生命体が、大きな命に帰るという感覚が舞い降りたという。それを彼はイワシの群れに例え、人間はイワシの群れの1匹なのだと言った。 五木寛之「大河の一滴...
岡部さんは、岡部医院の看護師が、津波で流された場所に立った時、人間の死を個人の死ではなく、大自然という大きな命の下に繋がって生きていた生命体が、大きな命に帰るという感覚が舞い降りたという。それを彼はイワシの群れに例え、人間はイワシの群れの1匹なのだと言った。 五木寛之「大河の一滴」親鸞「自然法爾」 全ての人は大河の一滴として大きな海に還り、ふたたび蒸発して空に向かう。
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日本に生まれた身として深く記憶に刻まれている大震災のあと、不思議な体験をしたという人達の話を聞いて回った人の本。買ったはいいけど読めていなかった本を棚から引っ張り出してきた。 自分はいわゆるオカルトというか超常現象とかの類はあったほうが楽しくない?と考えるタイプだけど多分霊感的な...
日本に生まれた身として深く記憶に刻まれている大震災のあと、不思議な体験をしたという人達の話を聞いて回った人の本。買ったはいいけど読めていなかった本を棚から引っ張り出してきた。 自分はいわゆるオカルトというか超常現象とかの類はあったほうが楽しくない?と考えるタイプだけど多分霊感的なものはほとんどない…という自覚がある。が、災害で喪った家族や親族にまつわる霊体験の話をまとめた内容になっているので、やっぱり夜中に読むのはちょっと抵抗があった。各話毎に遺族の方々が所持している故人の写真が出てくるところで、「ああ、この人はもうこの世にはいないのか…」と思ってしまうと、どうしても死という概念を強く意識してしまう。ただこの本は、一般的に「幽霊=怖いもの」とされがちだけれど、愛した伴侶や子どもの霊であればまったく怖くない、むしろこれからも会いに来てほしいと感じている人たちの話なので、どちらかというと文章を通じて「死」に触れることに対する怖さを感じていたのかもしれない。 当たり前だけど、どの話もしゅんとするような、唇を噛みしめるような気持ちになってしまう。災害の復興に終わりなんてなくて、数字として分かりやすく人口が元通りになったとか景観が再現されたとかそういう目安はあったとしても、大切な人を喪った方々の心は元に戻ることはないわけで。離れて暮らしていると日々の忙しさに流されてどんどん他人事になっていくことを思い出させてもらったような気がした。同情や哀れみとかではなく、自分の中で正しさを持って他人事と割り切る覚悟がある程度必要なのもまた事実かもだけど。 写真でなんだか不思議に思ったのは、比較的若い女性や子どもの写真だとなんかこう、ゾクッとしてしまうんだけど、男性やお年寄りの写真を見ても同じようにはならなくて、どういうわけか穏やかな目で見てしまう自分がよくわからない…。これは評価とかそういう本じゃないかもな、と読み進めている時は思ったりもしたけれど、読み物としての興味深さで一応つけておきます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
97頁『町が復興しても、彼らに復興は訪れない。いや、誰も彼らを復興させることなどできないだろう』 読んでいてとてもつらかった。 心に復興はおとずれないとしても、すこしでも気持ち穏やかに過ごせますように。
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東日本大震災で大切な人を亡くした人たちが遭遇した不思議な霊体験を聞き取り調査した記録。著者は、一人の人に最低3回は会うことにして体験に耳を傾けた。悲しい思いが幻覚・幻聴を招いたと言う人もいるかもしれないし、確かにそうかもしれないけれど、たとえそうだったとしても、「私がそう思うから...
東日本大震災で大切な人を亡くした人たちが遭遇した不思議な霊体験を聞き取り調査した記録。著者は、一人の人に最低3回は会うことにして体験に耳を傾けた。悲しい思いが幻覚・幻聴を招いたと言う人もいるかもしれないし、確かにそうかもしれないけれど、たとえそうだったとしても、「私がそう思うからそう」なんだと思う。 震災後、避難所で川の中州に幽霊が出たと聞いて避難所の人たちが懐中電灯を持って中州に詰めかけたという話を聞いたことがある。 幽霊だったとしても会いたい。切ない。 p236 それまで、中野いい人たちがみんな空の上に逝っちゃったから、死ぬのは怖くないと思っていたのに、あの光の柱のおかげで、自分が守られているなら、もっと生きてみようと思いました。
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3.11東北大震災から10年3ヶ月。 たくさんの方が犠牲になって、この霊体験はごく一部だと思う。 信じる方も、信じない方もいるとは思うけど、私は信じる。 魂でもいいからと思う気持もすごく分かる。
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震災の話、特に子供を亡くした話は辛い。 この本には私がいつも思っていること、それが書かれていた。 「大自然という大海の中に論理という網を投げて、引っ掛かってきたものが科学的成果で、大半の水は科学という網目からはこぼれ落ちるんだと物理学者の中谷宇吉郞は言ったが、そういう科学の限...
震災の話、特に子供を亡くした話は辛い。 この本には私がいつも思っていること、それが書かれていた。 「大自然という大海の中に論理という網を投げて、引っ掛かってきたものが科学的成果で、大半の水は科学という網目からはこぼれ落ちるんだと物理学者の中谷宇吉郞は言ったが、そういう科学の限界点を知れば、お迎え(霊)が存在しないなんて恥ずかしくて言えないはずだ。」 「近代科学とは、たかだか四百年の歴史にすぎないのである。生命の歴史四十億年の中の、たった四百年なのだ。その程度の歴史で、理解できなければ排除することの方がおこがましいと言わざるを得ないだろう。」
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東日本大震災から10年。 震災に遭われた方はどんな気持ちでこの10年を過ごされたのかと思いこの本を手にしました。 朝までいつもと変わらぬ生活を過ごし突然過ぎるくらい様変わりする町や景色。そして何よりも会えなくなるなど思ってもみなかった家族に突然会えなくなる気持ちは私が想像もできる...
東日本大震災から10年。 震災に遭われた方はどんな気持ちでこの10年を過ごされたのかと思いこの本を手にしました。 朝までいつもと変わらぬ生活を過ごし突然過ぎるくらい様変わりする町や景色。そして何よりも会えなくなるなど思ってもみなかった家族に突然会えなくなる気持ちは私が想像もできるはずもありません。でも少しでも知りたかった。そして本当に辛く苦しい体験をされたんだなと思うと自然に涙が出ていました。大切な家族の変わり果てた姿を突然目にするなんて堪らないでしょう。でも最後に会うことができたのは良かったように思います。一番辛いのは未だ行方不明で年数だけが経過し大切な家族の死を受け入れないといけないけど何も見つからない状態では受け入れられない。何も見つからなければ、いつかいつか帰って来てくれるのではないか、そしてどこかで生きているのではないかと思い続けてしまうだろう。改めて最後のお別れの大切さをこの本を読み感じました。 私は直接霊体験などはありませんが、目には見えないけれど私の周りに何か?誰か?がいて守ってくれている気が以前よりしていました。しかしその事を周りに話しても不思議がられてしまう状態だったんです。でもこの本を読んで亡くなったけれど魂はそこにあり見守ってくれていることはあるのだと胸が熱くなりました。私も数年前に父を亡くし葬儀後3日間全くたいてないないのに線香の香りが同じ場所からして、もしかして父親が側にいてくれているのかもと思ったんです。それはそうかもしれないし、そうではないかもしれません。でも父が私を見守ってくれていると信じたいです。肉体は無くなるが魂は生き続けていて亡くなった人が大切な人を見守ってくれている。私はこの本を読み強く感じました。
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東日本大震災から間もなく十年がたつ。どうしても東北出身としては、忘れることが永遠に出来ないのがこの震災だ。 著者はふとしたきっかけから、遺族の周りで起こった不思議な体験を取材することを決意する。 ただ、著者も書いているが、この手の話は再現性に乏しく、確たる証拠が有るわけではな...
東日本大震災から間もなく十年がたつ。どうしても東北出身としては、忘れることが永遠に出来ないのがこの震災だ。 著者はふとしたきっかけから、遺族の周りで起こった不思議な体験を取材することを決意する。 ただ、著者も書いているが、この手の話は再現性に乏しく、確たる証拠が有るわけではない。そこで、東北各地にいる遺族に話を聞く旅紀行という形を取りながら、最低でも3回会うという取材手法で客観性を保ちながら、この本を完成させている。 フィクションとノンフィクションの境目で、信じない人はまったく信じないだろう。 僕は、信じる。幼少の頃、イタコさんが来るということで、何回か連れられて会ったことがある。亡くなった親や親戚の霊をおろしてもらって、話を聞いたり心配事を相談するのだ。そういう風習は普通の生活の中にあったし、それが当たり前だった。亡くなった人は、決して「無くなった」訳じゃない。何処かで見守ってるという認識で、シャンとして生きるように親から教わった。 ひたすら悲しい出来事でしかない。だからこそ、寄り添える何かが有っても良いんじゃないかと思う。
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