あさきゆめみし(完全版)(ハードカバー版)(4) の商品レビュー
とんでもない話と最初は思っていたが、段々いい話になってきて、時に涙ぐむことあった。生き霊ともなった御息所が死んだため、娘の梅壺の女御は源氏に引き取られ入内。友との間で激しくなる後宮の争いと絵合わせ。末摘花の君を引き取ったり空蝉の話は泣ける。明石の上の娘を紫の上の養女とする。藤壺の...
とんでもない話と最初は思っていたが、段々いい話になってきて、時に涙ぐむことあった。生き霊ともなった御息所が死んだため、娘の梅壺の女御は源氏に引き取られ入内。友との間で激しくなる後宮の争いと絵合わせ。末摘花の君を引き取ったり空蝉の話は泣ける。明石の上の娘を紫の上の養女とする。藤壺の宮の死と桜に墨染に咲けという歌も泣ける。
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源氏の君の波瀾万丈の物語が続いていく。 どんなに立場があろうとも。 どんなに財産があろうとも。 健康な体を持っていたとしても。 人は生老病死の悩みから目を背けることはできない。 愛する人との別れ。離れることの苦しみに立ち向わなければならない。 京の都に戻った源氏にもつらい...
源氏の君の波瀾万丈の物語が続いていく。 どんなに立場があろうとも。 どんなに財産があろうとも。 健康な体を持っていたとしても。 人は生老病死の悩みから目を背けることはできない。 愛する人との別れ。離れることの苦しみに立ち向わなければならない。 京の都に戻った源氏にもつらい別れが待っていた。 現実を受け入れて、いかに生きていくかの選択をしなければならなかった。 目の前の人を、大切な人をどうすれば良いか常に向き合っていた。 美しい容姿。 あふれ出る教養。 帝の血を引くものとしての矜持。 様々な要素が「光る君」を形づくっている。 その根本は「誠実」な彼の人柄による。 圧倒的な「誠実」が、彼自身のなかで一貫している。 現代の尺度に当てはめて、彼のことを「稀代のプレイボーイ」とレッテル貼りすることは簡単だ。 この本を読む前は、私もそう思っていた。 だがそれは、後世の時代からみた後出しジャンケンだ。 彼は全力で「今」を生き抜いていた。 源氏の君の波瀾万丈の人生が続いていく。
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有名な絵合わせのお話や、実の子を紫の上に預ける明石など、子どもを使っていかに地位を固めるか、という当時の出世の様子がうかがえるお話が多い。 とくに女性をどのように育てるかという話は興味深い。 政治戦略的に見ていっても面白いが、絵合わせのような雅な競技はさすが平安貴族といった風情あ...
有名な絵合わせのお話や、実の子を紫の上に預ける明石など、子どもを使っていかに地位を固めるか、という当時の出世の様子がうかがえるお話が多い。 とくに女性をどのように育てるかという話は興味深い。 政治戦略的に見ていっても面白いが、絵合わせのような雅な競技はさすが平安貴族といった風情ある雰囲気を味わえた。 恋の話よりも女同士の複雑な心境や、母としてこの幸せを願うからこそ子どもを手放すという親としての痛み、夫を持つ身だから、皇妃であるからという理由で心の赴くままの恋ができない女性たち…。 女としての様々な苦しみ、悩み、それらが深く伝わってくる。
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子に恵まれても、身分が低いゆえに、自分の手で育てることができない理不尽さ。姫の将来を思えばこそ、泣く泣く手放した明石の君。このことゆえに、自分は紫の上が嫌いだったのだと思い出した。 だけど、今読むとお互いの心を思いやろうとしている。二人とも、寵愛を受けるにふさわしい人々なのだろう。
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