姥捨て山繁盛記 の商品レビュー

太田俊明(著者)

2023/12/29

村起こし物語。認知症でも希望はある。太一さんはなぜああなってしまったんだろう。ほかにやりかたなかったのかな悲しい

2021/06/01

ダメ建設計画のある水没予定地には。日本一のワイナリー、ジャム工房、モネを彷彿とさせる睡蓮の庭。まさに理想郷のような光景が広がっていた。
軽度の認知症から早期退職をした男は、ここに魅せられ動き出す。
ダム建設の土地収用を阻止すべく集まってくるシーンはまさに感動的で、映画のワンシーンのよう。
素晴らしい、一気読みですね。

2018/09/29

図書館で借りた本。山梨県のとある限界集落。若年性認知症の早期発見を機に、早期退職し終の住処として東京から高齢者住宅施設にやってきた西澤亮輔。娘の由香は東京から2時間位で行ける立地でもあり、たまに様子を見にやってくる。自然に囲まれた施設は新鮮だが、徐々に退屈してくる。ある日、姥捨て山と呼ばれる村の地域まで散歩に行ったらそこは美味しいワインやジャムがあり、亮輔はその土地で働くようになり…限界集落の活性化や田舎特有の陰険さ、犯罪更生者、ダム建設にまつわる利権、恋や犠牲など盛りだくさん。年金だけに頼らないビジネスをやる高齢者。若年層が引き継ぎ村は続いていく。

2017/09/02

初期の認知症と診断され、大手企業を早期退職して高齢者介護施設に入居した男は、ダムの底に水没するであろう限界集落のなかに日本一のワイナリーが存在することを知る。
若い世代からはお荷物扱いされているシニア世代の再出発物語。桃源郷を探すのではなく、桃源郷創りに燃えるシニア世代への応援歌。

2017/04/18

水底から見上げる船のスクリューのイメージが印象的。ああ、これは男の人の小説だなあ。良くも悪くも。由香さんの思いはともかく、見えるところはちゃんと書けているから、いいのか。

2017/04/16

ダム予定地に居座って自活する姥捨て村の奇跡的な理想郷。９８％のダム推進派、国や自治体の考え方、地域の住民、関心を寄せる人々それぞれの受け止め方と行動。それなりにクライマックスもあり、読みやすく、読後感もよかった。
シニアのちから、限界集落の未来、ダム建設、犯罪更正者の受入れといったことについて考えさせられた。
タイトルの「姥捨て山」も作中の「姥捨て村」も外からのレッテルと思われ、それを押し出すことに違和感を覚えた。
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