木足の猿 の商品レビュー
明治の初め頃の話で,元武士の奥井隆之が命の恩人の水口修二郎を殺した矢島鉄之進を追いかけるのだが,ストーリーは複雑.英国人の生首がさらされる事件が続発.奥井は山室玄蔵に会い,共同で動き始める.当時清国が英国のもたらした阿片で窮地に立たされていた.英国人犠牲者の妾だった津崎陽との出会...
明治の初め頃の話で,元武士の奥井隆之が命の恩人の水口修二郎を殺した矢島鉄之進を追いかけるのだが,ストーリーは複雑.英国人の生首がさらされる事件が続発.奥井は山室玄蔵に会い,共同で動き始める.当時清国が英国のもたらした阿片で窮地に立たされていた.英国人犠牲者の妾だった津崎陽との出会いで話が展開する.最終的に阿片の密売に絡む呉景明がカギを握っているが,奥井とのやり取りの場面が秀逸だ.
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時は明治に変わり、都は東京に変わったが、元侍がまだいる時代。 探偵ものと侍の哀惜と友情と、時代の変化で何もかもがひっくり返って底辺から浮上した者その逆の者、様々な想いやドラマが描かれる。 ミステリーとしても楽しめたし主人公の不器用で一途な生き方も魅力的に映った。 やや文章が堅いが...
時は明治に変わり、都は東京に変わったが、元侍がまだいる時代。 探偵ものと侍の哀惜と友情と、時代の変化で何もかもがひっくり返って底辺から浮上した者その逆の者、様々な想いやドラマが描かれる。 ミステリーとしても楽しめたし主人公の不器用で一途な生き方も魅力的に映った。 やや文章が堅いが今後が楽しみな作家さんになりそう。
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第20回日本ミステリー文学大賞新人賞の作品とのことであるが、新人賞の割には文章が丁寧で読み易く、侍の時代から文明開化へと大きく社会が変遷していく時代背景をきちんと描いたうえでのミステリになっており、新人らしからぬ巧さを感じた作品であった。どんでん返し的な結末は正直なところ予想範囲...
第20回日本ミステリー文学大賞新人賞の作品とのことであるが、新人賞の割には文章が丁寧で読み易く、侍の時代から文明開化へと大きく社会が変遷していく時代背景をきちんと描いたうえでのミステリになっており、新人らしからぬ巧さを感じた作品であった。どんでん返し的な結末は正直なところ予想範囲内ではあったけれど、水口という人間の表裏ある二面性をその時代ならではのポジションに置くことで上手く描いているなと思う。気になった点を強いて言えば、何度も挟み込まれる回想エピソードが読むテンポを崩させていることかな。結果的に伏線になっていて納得する内容なのだけれど、丁寧に描き過ぎるが故にいちいち読むスピードを抑え込まれている気がした。
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明治九年、英国人の生首が晒されるという事件が起きた。居合の達人にして左足が義足の奥井は、友の復讐のため脱藩し、横浜にたどりつく。そこで、生首事件に仇が関わっていることを知り、犯人を追うことになるのだが! 男たちの生き様が熱く、せつない!
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明治時代に入って数年後、英国人の生首が橋など公衆の場に晒される事件が3件続く。殺されたのは外交官や医師など地位が高い英国人。犯人探しをする新政府の警察。それとは別にある出来事からこの事件を探偵として犯人探しをするようになった奥井。奥井は元は侍で左足の膝から下が無く木で作った義足を...
明治時代に入って数年後、英国人の生首が橋など公衆の場に晒される事件が3件続く。殺されたのは外交官や医師など地位が高い英国人。犯人探しをする新政府の警察。それとは別にある出来事からこの事件を探偵として犯人探しをするようになった奥井。奥井は元は侍で左足の膝から下が無く木で作った義足を使い、杖を使用。杖の中に亡き友の刀を忍ばせている。亡き友、水口を殺した犯人の矢島に復讐する為に、17年も矢島を探し放浪の旅を続けていたのだが…全体的に良くまとまりハードボイルド要素が詰まった内容。友の仇は取れたのか?は最後に明かされる。タイトルの木足の猿は白人から見た奥井の風貌になる。
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第20回日本ミステリー文学大賞新人賞、満場一致の受賞作! 明治九年、英国人の生首が晒されるという事件が起きた。居合の達人にして左足が義足の奥井は、友の復讐のため脱藩し、横浜にたどりつく。そこで、生首事件に仇が関わっていることを知り、犯人を追うことになるのだが! 男たちの生き様...
第20回日本ミステリー文学大賞新人賞、満場一致の受賞作! 明治九年、英国人の生首が晒されるという事件が起きた。居合の達人にして左足が義足の奥井は、友の復讐のため脱藩し、横浜にたどりつく。そこで、生首事件に仇が関わっていることを知り、犯人を追うことになるのだが! 男たちの生き様が熱く、せつない!
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