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戦後教員養成改革と「教養教育」 の商品レビュー

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2017/03/26

本書の学術的功績はおそらく大きい。高等教育論の中では、旧制師範学校から新制大学学芸学部に移行するプロセスはあまり詳細に説明されてこなかった。旧制高校や旧帝大に関する研究の蓄積は十分あるが、本書のようなテーマの研究はほとんど例がない。旧制師範学校を語ることを憚られたことも理由として...

本書の学術的功績はおそらく大きい。高等教育論の中では、旧制師範学校から新制大学学芸学部に移行するプロセスはあまり詳細に説明されてこなかった。旧制高校や旧帝大に関する研究の蓄積は十分あるが、本書のようなテーマの研究はほとんど例がない。旧制師範学校を語ることを憚られたことも理由としてあるかもしれない。著者は丹念に史料にあたりながら、その輿論のようなものを剥がしとり、新制の教員養成学部の師範らしさの克服は、一般教養の導入ではなく、複数の教科専門教育により幅広さを持つことで対応したことを詳らかに示した。なお、本書の事例は全て旧制の師範学校等と新制の国立大学である。私学については一切触れられていない。今日の教員養成系学部の立ち位置も理解しやすくなるだろう。 ※所収されている論稿の一部は、以下のリポジトリで閲覧できる。 http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/simple-search?query=%E5%B1%B1%E5%B4%8E%2C+%E5%A5%88%E3%80%85%E7%B5%B5&submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

Posted byブクログ