かしこい相続・贈与の節税常識 増補改訂版 の商品レビュー
生前贈与から相続税の納税対策までポイントを抑えつつ広く浅く解説。パラパラめくった感じでは初級者向けのように思えるが、熟読してみたら書かれている内容は結構高度なものも多かった。むしろ実務家向けかな。 P220 [交換による不動産の物納の例] >畑と雑種地の交換 父親は自宅前の...
生前贈与から相続税の納税対策までポイントを抑えつつ広く浅く解説。パラパラめくった感じでは初級者向けのように思えるが、熟読してみたら書かれている内容は結構高度なものも多かった。むしろ実務家向けかな。 P220 [交換による不動産の物納の例] >畑と雑種地の交換 父親は自宅前の土地に農作物を植え、畑を所有。 地目も現況も「畑」です。 子どもは自宅からは少し離れた場所に地目は「雑種地」 現況は「畑」の土地を所有しています。 また、子どもは、父親の自宅に同居し、生活も一緒です。 将来の父親の相続時には、子どもがそのまま自宅を引き継ぎ、居住する予定であるため、自宅前の父親所有の畑は残し、子ども所有の現況農地を物納したいと考えております。 両土地の面積はほぼ同じで、時価の差額は20%以内、そのほかの交換の特例要件はすべて満たしています。 子どもが所有している土地については昔から農作業をしてきており、地目は雑種地となっていますが、どこからみても畑という状況です。さらに、固定資産税の現況地目についても畑ですので、両者の土地を交換しました。また、 交換後も交換前の資産と同一の用途とする必要があるため、その後も継続して畑として利用しました。 その結果、譲渡税がかからずに両者の土地を交換でき、さらに父親の相続時には、その土地を物納財産として見事、 物納することができました。 >相続した土地を交換後物納したら? 先の例では、生前に交換するという内容でした。ところで、実際に相続が起こった後に、その相続により取得した土地と、他人の土地を交換して物納することも認められています。 このように物納を前提に交換契約を締結し、その後に物納している場合は、交換譲渡資産と同一の用途に供したとはいえないので、固定資産の交換の特例の適用はなく、譲渡税がかかります。 ただし、この場合であっても一定の要件を満たせば、相続財産を譲渡した場合における取得費加算の特例の適用を受けることができるので、有利となる場合があり検討する必要があるといえます。
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